ツンデレ6 ページ6
芥川視点
僕視点。人虎ざまぁ。
「あーくーちゃーんー」
僕の片腕に包まれ擦り寄るこの人。
見ての通り、否、読んでの通りと云うべきか、彼等はこの人を恋愛対象として見ている。
僕も、その様な感情が無いと云えば嘘になる。
立原や中原さんが恨めしそうに僕を見ているが其ならもっとこの人に優しくなれば良い。
僕は素直だ。
「何ですか」
「ほんと私ぃ、銀ちゃんとかあくちゃんみたいな妹弟欲しかったよぉ…あくちゃんは格好良いから恋人でも良いなぁ…」
泣きそうな程弱々しい声で僕の肩に頭を置く柚さん。
好きでもない男にこうする事は普通は無い。
この人は無自覚なのか確信犯なのか判らない故、変に緊張してしまう。
だが、傷付いた心を癒せるのは僕等のみという事に若干の優越感はある。
「あくちゃん好きぃ…」
へにゃりと笑い乍僕を見上げる柚さんの愛らしさと美しさと色気に僕は固まる。
後ろでパリンとグラスの割れる音がしてふと振り向くと、中也さんがナイフを胸元からチラつかせ立原が拳銃を同じく胸元から見せていた。
それ程好きなら何故伝えぬ。
僕は不思議に思い乍視線を戻した。
「あくちゃーん?」
「僕も好きです」
「わーい、銀ちゃんも好きぃ!」
嬉しそうに微笑む銀。
僕は彼女を特別好きで、好い仲になろうとは思わない。
唯彼女の倖せな姿を見ると、僕も楽しくなる。それだけだ。
銀に絡み出した所で僕は素直では無い彼等を横目で見て、口を歪ませる。
「此の侭では僕が頂きますよ」
そんな意味を込めて。
「あくちゃんと銀ちゃんは賢治君と同じ位私のえんじぇうだよぉ」
ふにゃりと笑って僕の肩に頭を戻し、銀と腕を絡ませる彼女とは、傍から見れば兄妹だろう。
其も悪くない。
「……ほんとにね、皆に嫌われる事した覚え、無いのに、な…」
この言葉を最期に、眠ってしまった。
酔い過ぎたのだろう。
僕は酒が得意では無い故、居酒屋やバーに来ても何も頼まぬ事が多い。
彼女も、酒が特別強いとは云えない。
寧ろ弱いであろうに、此でもかと云う程飲む。
二年で培ったこの立ち位置。
「…誰にも渡さぬ」
呟き、そっと僕は彼女を抱き上げた。
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かりんとう(プロフ) - あ、あ、あんこおおおおおおおお!!!読んでる途中だけどコメントするわ。ツンデレ26の中也が可愛すぎてニヤニヤとまらんのだが助けて!!?!?((しらん (2019年12月18日 19時) (レス) id: b09f89d760 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - id=es(旧カシ魔女)さん» わわわっ!嬉しい!!!是非是非呼んでー!!! (2017年4月28日 22時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
id=es(旧カシ魔女) - ありがとう…!あんこって、呼んでもいいかな? (2017年4月28日 20時) (レス) id: bd9f4f1f85 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - id=es(旧カシ魔女)さん» イドさんですね!了解しました!ではお言葉に甘えてこれからはタメで話させて貰いますね!私もタメ大歓迎なので是非お気軽に呼んでやって下さい!! (2017年4月28日 0時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
id=es(旧カシ魔女) - あんこさん» 本当ですか!嬉しい…!!文ストを語れるお友達が…ついに…!!!!私のことは気軽にタメ口でどうぞ!あ、ハンドルネームは『イド=エス』と読みます。イドとお呼びください! (2017年4月27日 21時) (レス) id: bd9f4f1f85 (このIDを非表示/違反報告)
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