ep.11 ページ12
「嬉しいです、いつもそんなこと言われないから」
真「なんか意外ですねほんと」
「あ、そうだ真緒さん。これ薬です」
真「ありがとうございます、めちゃくちゃ助かります。いくらですか？」
「えっと、300L＄です」
真「は！？やす！！？」
なるほど、私の勘は外れたらしい。
真緒さんは先程と変わらぬ素振りに戻った。
嘘をついてるように思ったけど、そんなことはないっぽい
ダメだな、千秋さん達に言われて過剰になってるかも。
この前の創さんの時も小さな違和感は感じたけど、あれも違ったし
「今、特段お金には困っていないんです」
真「はあ……？いや、せめて1000L＄は受け取ってください！」
おぉ、綺麗な土下座……
って、なんで患者さんが私に頭下げてんの！？
「ま、真緒さんやめてください！1000L＄受け取りますから〜！！」
真「あ、ほんとっすか？じゃありがとうございました！」
「はい…、お大事になさいませ〜…」
嵐のように去っていった……
ティッシュ小脇に抱えてたけど、あの状態で来たのかな…
でもあの顔はほんとに国宝……
「キミがAチャン？」
「へ？！え、だ、浮いてる？！」
夏「やァ、ボクは逆先夏目。魔法使いサ」
「魔法……？」
夏「そう、魔法。」
いつの間に真後ろに現れたか、浮いてる魔法使い夏目さんは慣れたようにウィンクをしてくれた。
え、私イケメンに夢見すぎてとうとう幻覚まで？？
夏「幻覚なんかじゃないヨ。キミに魔法をかけてあげル」
「え、なんで…」
夏「キミはどうやらこれから不幸な役回りのようだからネ。放置しても良かったんだけど、ボクの良心が傷んダ。まァ、魔法使いの気まぐれサ」
「なるほど……え、不幸な役回りですか？」
夏「そうだヨ。だから、魔法をかけよウ」
そう言うと夏目さんは地面に足をつけて私の頭に手を置く。
めっちゃ、いい匂いする………
そして
すごくかっこいい。胡散臭さは否めないけど…
夏『のろいころすぞ』
「こわい！？」
夏「冗談サ。失礼なことは考えないことだネ」
「…はい、」
夏『君は君のままでいなさい。変わってはいけないよ』
ふわっと、体が包み込まれるような感覚がした。
え、ほんとに魔法使ったってこと？
「夏目さ……え、いない！？」
本気で魔法使いだ？？！
…あれ、でもなんて言われたっけ…
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
夏「哀れな小娘ダ。助かるといいネ」
無理だろうけど。
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作者名：aka______s | 作成日時：2022年3月21日 18時
