【NARUTO】月下の紅時雨 (ページ8)

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辞退ページ8

試合はその後順調に進み、
いくらかの重軽傷者は出たものの
最後の組まで何事もなく終わった

本選出場者10名が決まり、
くじ引きでトーナメントが決まった

各々の術を磨くため、
試合が一ヶ月後と告げられると、
リサは考えるように呟く

『一ヶ月後、か』

そして、徐に手を挙げると、
思いもよらないことを口にする

『辞退します』

全員が一斉に彼女を見る

何言ってんだ、この女。
とでも言いたげに。

ﾈｼﾞ
「なぜ辞退する！」

『んー…。みんなレベルの高い試合してたからさ、お姉さん、ちょっと怖くなっちゃったよ』

ｼｶ
(なぁに言ってんだ。
おめぇが一番レベルの高い試合してたじゃねえか)

おどけた口調と、適当な理由から、
それが本当の理由ではないことなど
明らかだった

『それに、その日はきっと月が綺麗だからね』

そして、恐らく本当の理由であろうそれは、
てんで検討違いのものであった…

ーーーーー
それから月日が経ち、サスケが里を出た

サスケ奪還のため、
ナルト、シカマル、チョウジ、キバの４人が
リーとネジと話しているところに、
彼女とも出会った

彼女は結局、本選の会場には姿を現さなかった

ｼｶ
「丁度いい。緊急事態なんだ。
手を貸してくれ」

粗方説明を聞いた彼女は、
それでも首を縦には振らなかった

『私が行っても足手まといになるだけだ』

ｼｶ
「目が見えないことか？」

それとも、
あのときの確執のことを言っているのだろうか

ﾈｼﾞ
「あのときのことなら、
俺はもう気にしていない」

ｷﾊﾞ
「それに、目が見えないったって、
中忍試験のときだって
ちゃんと戦ってたじゃねぇか。なあ、赤丸」

ｱｶﾏﾙ
「ワン！」

『全部関係ないよ。
こちらにも色々と事情があるんだ…』

苦々しげに呟く彼女の言葉から、
嘘ではないと確信した5人は、
そのままサスケ奪還へと向かった

その日も、月が綺麗だったことが、
酷く印象的だった…