3 ページ41
「もう!本当にAさんに言いつけますよ!」
「わかった!わかった!!もうせぇへん!コソコソ盗み見たりせぇへんから!」
すまんかった!と顔の前で手を合わせる平子に雛森が溜息を吐く。
やっぱり盗み見ていたんじゃないか、と思うも反省しているようだし口にする事は控えた。
「ほんま乱菊のヤツ、余計なモン吹き込みよって・・。」
机へと頬杖をついた平子が口角を下げてボヤく。
そんな彼の様子に雛森は少し吹き出すようにして微笑んだ。
「ふふふ。平子隊長はAさんの事、大切に思われてるんですね。」
「・・そらそうやろ。」
こないちっこい頃から世話してんねんで。と自席に座ったままの平子が肩の辺りでヒラヒラと手を振る。
大切に思っている。
だからこそ、彼女には幸せになってほしいと、そう思う。
ーーAがAがって言ってるうちは進めねぇぞ。そりゃお前の問題だろうが。
過るのは先日の拳西の言葉。
流石古い仲とでも言うのだろうか。まさに彼の言う通りだった。
拳西にもローズにも、当たるような真似をしてしまったなと今は思う。次の休み辺り、詫びでもしようか。
途端に珍しく口をつぐみ、何やら考えている平子の様子に雛森は首を傾げた。
その時、ふと香る霊圧に二人は顔を見合わせた。
噂をすればなんとやらだ。
見知った霊圧がゆっくりとこちらに近付いて来ている。
桃、開けたりィ。そう言ってようやく書類へと手を伸ばした主君に雛森は眉を下げながら微笑み、返事をした。
522人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
でんでん。(プロフ) - 毎日楽しみで大好きです!ご無理なさらず続きを楽しみにお待ちしております!(^^) (9月8日 2時) (レス) @page46 id: f6127465a5 (このIDを非表示/違反報告)
ひなみ - いいところで……!!! (5月17日 1時) (レス) @page46 id: 40e8d62194 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 続きが気になります•••! (2023年4月26日 20時) (レス) @page46 id: c3f7ca38c1 (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - 大好きです続き読みたいです (2023年4月22日 22時) (レス) @page46 id: e23563eff4 (このIDを非表示/違反報告)
マチリ - 最新話まで読ませていただきました。素敵な作品に出会えてとても感動しております。ご無理なさらずに続きを楽しみにお待ちしております。 (2023年2月25日 0時) (レス) id: 7c2370384d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おもち | 作成日時:2021年5月9日 2時