あなたと生きる世界 -尸魂界編- (ページ16)

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番外編　【桜の香り】2 ページ16

「「「かんぱーーーーーい！！」」」

その声と共に手を高く掲げて紙コップを合わせた

「ねーひよりん！その黒いの美味しい？？？」
「なんやねん、黒豆知らんのか？」
「食べたことなーい！！」
「ほれ、食ってみぃ。美味いど。」

「こんな晴れた日に美しい桜の下で嗜むお酒‥、なんて風情があるんだろうね羅武。」
「なんだお前、花見したことねえのか？」
「ほっときやあ。勝手に潰れるん待っとる方が賢明やで。」
「ひどいじゃないか、リサ‥」

「おいリサ！お前こないなとこで何読んでんねん！」
「何ってナニやろ。わかりきったこと聞かんといてや。」
『ナニってなんですか？』
「なんやA、興味あるんか？こっちきぃ。」

手とりナニとり教えたるで。
そう言って顔色一つ変えずに手招きをするリサに
Aは言われるがまま立ち上がる

「Aは行かんでええねん！！」

焦った平子は勢いよくAの腕を掴むと再び隣へと座らせた

『？？？』

頭にいっぱいハテナを浮かべたまま、その力に逆らう事もなくちょこんと座る

「なんやの真子。教育は早くからしとくべきやろ。」
「教育言うなや！お前の性癖やろ！！」
「なんやて！アンタかてお世話なってるやろ！この前も貸してやったの忘れたとは言わせへんで！！」
「なっ！？それは内緒やって約束したやないか！こんの裏切りモンがァ！！」

「お前らAの前でなんつー話してるんだよ。」
『・・？？』

晴天広がる真っ昼間だと言うのに
随分とディープなお花見会場はどうやら誰にも止められそうにない

『ねえ、六車隊長。平子隊長は何をお世話してもらったの？？』

「「「！！！」」」

無邪気なAの言葉に近くにいた彼等が顔色を変えた

「あぁ、それはな・・、」

「「「ドキドキドキドキッ」」」

リサ(なんて言うんや、なんて言うんや拳西！！)

平子(頼むゥ！それだけは、それだけは言わんといてくれ・・！)

羅武(こりゃおもしれぇことになったぞ・・！)

そんな様々な気持ちが滲み出す視線の中、指名された拳西が何と返すのか。
その返答に辺りの面々が随分と集中していることに思わず笑いが込み上げてしまう

だけど自分がここでお楽しみを奪ってしまう訳にはいかない

「お前がもう少しデカくなったら、真子が教えてくれるってよ。」

な、平子隊長。
そう言って拳西はニヤリと口元を歪めると
Aの頭を撫でながら平子へと目線を送った