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雄猫 ページ40

「ど、どうすれば許して貰えますか」

鼻をつままれたまま彼に聞く。
こんな状況でも彼にドキドキしてる私がいた。


「てめぇに危機感ができたら許してやる」

碧棺さんは眉毛をしかめ、けげんそうに言った。

「私的にはあるつもりなんです…」



私の言葉を聞くと彼は

「俺が確認してやる」

と私の鼻から手を離し、私の顔に近づいてきた。





前にもこんなことあった、確かキスされそうになった気がする!


と思い出して口を手で塞ぐが、少し遅く

塞いだ手に碧棺さんの唇が当たった。




でもキスを妨げたことは事実なので
手で口を塞いだまま

「か、完璧でしょう」

と少し自慢げに言った。



碧棺さんはニヤリと笑うと

「あめぇな」

と私が塞いでいる手をペロリと舐めた。


「え!?」
突然のことに驚き口から手を離すと、彼は素早く私の両手を掴んだ。


抵抗してみるがピクリともしない。


しばらく見つめ合う形になり、
「つ、捕まっちゃいました…」

と遠慮がちに私が言うと、



彼は自由になった私の唇に

「色気のねぇ声だな」
と彼の唇を重ねた。






え…


これって…

キスなんじゃ…




キスされた、と私の脳が理解すると

彼の唇から逃げるように体を後ろに退こうとしてた。


しかし、彼は逃がさないと言うように

私の両手から手を離し、
今度は私の腰と頭をホールドしてキスを続けた。




解放された両手で彼の肩を押すと、やっと唇が離れる。



長い時間キスをしてたせいか脳に酸素が足りず
ボーとして彼を見つめる。


息を弾ませている私を見て

何も変わらない碧棺さんは満足そうに
「だらしねぇ顔だな」と言った。




キ、キスされた…


唇に手をやり、放心状態の私に碧棺さんは

「次、約束破ったら食うからな」
と言った。

「…何をですか」

「お前に決まってんだろ」


彼の顔を見る。本気で言っていると伝わってきた。





何も言えず、
「…ははは」と乾いた笑いが出てきた。





彼は「寝みぃ」と言ったかと思えば、
私の膝に寝転がり、そのまま目を閉じた。



…今のキスは、私の危機感があるかどうかを
確認するためにしたのであって、

意味はないんですよね…


私、勘違いしちゃいそうです…



膝にある彼の白い髪を手でとかしながら、心の中で問いかけた。




「あー…まじで寝そう…」

私の膝で目をつむる彼はまるで猫のようで、



さっき私にキスをした雄の顔の面影はなかった。

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ベベンべェェ - 帝銃だったらマジでエアガン打って幻太郎になんかやられてそう (2022年10月30日 10時) (レス) @page28 id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 2chスレからこの話思いつきました感やば (2022年6月17日 22時) (レス) @page2 id: cc1286ce8c (このIDを非表示/違反報告)
引きこもりちゃん - 読み終わりました!続編へGO♪ (2022年1月14日 5時) (レス) @page50 id: 81a3cc2368 (このIDを非表示/違反報告)
引きこもりちゃん - あと、作者様安心してください。高評価押しましたぁ!!応援してますんで! (2022年1月14日 5時) (レス) @page41 id: 81a3cc2368 (このIDを非表示/違反報告)
引きこもりちゃん - えっ?ここアンチ居んの???こんなに良い話なのに?うーん、取り敢えず一回○しとこうか...?(黒い笑顔♪) (2022年1月14日 5時) (レス) @page41 id: 81a3cc2368 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りりか | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2018年12月15日 17時

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