太宰が拾った少女【文豪ストレイドッグス】

怒りの日常 ページ37

「嗚呼！君の怒りがヒシヒシと伝わって来るよ、ウィリアム！！！」
「お前は…郁弥を殺したのか」


ウィリアムが怒気を含んだ目でアーサーを睨み付ける。アーサーは嗤うと「勿論」と答えた。


「君が姿を消した後、残った彼をボクは殺した！でもボクは諦めが悪くてねェ。君が生きていると思っていた！だから彼の姿に成りすまして特務課でずっと探していたんだ！真逆、武装探偵社に居るとは思って無かったけどね！！」


愉しそうに大きく手を広げ乍、何かを演じるかのように。大きな声でアーサーは云った。

ウィリアムが長く細い足でアーサーを蹴る。がアーサーは身軽にひょいと避けると嗤った。


「アハハ！怒ってる！怒ってるねェ！そんなにも部下を殺された事に怒りを感じているのかい！？異能特務課暗殺部隊隊長がそんなに表情豊かだと滑稽で仕方ないよ！！」
「お前は如何も私を殺す事に拘っているらしい。理由を云え」
「ン？理由？」


アーサーは「どーしよーかなー、教えちゃおうかなー」等と云って遊んでいる。ウィリアムの額に青筋が浮かび上がった。楽しんでいる表情から一転、冷静な表情にアーサーは変えると云った。


「そんなのこの世界を守る為に決まってるでしょ」


まるでウィリアムがこの世界を破滅の一歩を促している様な云い方だった。

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