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ページ15

わたしは首をかしげてしまった。




つまり本は、ずっとこの図書室にあったというのに

その中から6ページ分だけが忽然と消えてしまったのだ。



うーむ、たしかにこれは、大事件かもしれないな。




「わかりました。」


はっきりと言った、和臣の目には、

リンとした光がきらめき始めていた。



それは、和臣の中で、強い決意が

生まれた印だった。




和臣、こーゆー感じでずっと黙っていれば

めっちゃイケメンなのにw






「この本は、重要証拠としてお借りします。

では、これから捜査会議に入りますので


失礼します。」




キビキビと言って和臣は、

さっそうと図書室をあとにした。






わたしと和典と貴和がそれに続き、

アーヤはそのあとに

和彦はいちばん最後からついてきた。






「誰が。」


和典がメガネの向こうで、静かに目を光らせた。



「いつ、なんのためにやったかだな。

黒木、どう思う?」




貴和は、わずかに首を横にふった。



「これだけの材料じゃ、まだなんとも言えない。

若武、その雑誌を小塚に渡しとけよ。

そこからできるだけ多くの手がかりを引っぱり出すんだ。」




和臣は足を止めて、丸めて手に持っていた

その本を、和彦に渡した。


「頼んだぞ。」




和彦は得意そうに笑って、大きくうなずいた。




自信と誇りを感じさせる、輝くような

そんなほほえみだった。



自然界のことや生物、化学、

それに社会全体のことについて和彦はとても詳しい。



だから、ひとつのものを観察して、

いろいろ調べ上げる仕事は、たいてい和彦にまわる。




まあ、和彦が好きってのもあると思うんだけどね。





「あと、切りとられたページにどんな記事が

のっていたのかも知っておきたいな。」




和臣の声に、貴和が手を上げた。





「それ、オレがやる。同じ雑誌を手に入れて、

コピーしてくればいいだろ。」






貴和は、対人関係のエキスパート。



エキスパートというのは、専門家のこと。




普通より少し知り合いや、友だちの多いわたしだけど、

貴和はそれよりもさらに広い範囲に

知り合いを持ってて、どんなものでも必ず

手に入れてくる不思議なやつ。




「とりあえず、そんなところかな。」



和臣がそう言ったとき、和典とわたしの腕で

ピッピッと時計がなった。





和典が音を止めながらニヤッと笑った。



「楽しいお勉強の時間だ。教室に行こうぜ。」

*→←*



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フェアリー - すみません。ページ7の11行目のとこ、「ためすぎだろ」じゃなくて「だめすぎだろ」じゃないですか?間違ってたらすみませんm(_ _)m (2021年12月25日 19時) (レス) @page7 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
- よかったです! (2020年1月5日 7時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)
まーお。(プロフ) - 星さん» ありがとうございます!合ってます!即直してきました! (2020年1月5日 4時) (レス) id: dbfd11264f (このIDを非表示/違反報告)
- 私が間違ってたらすみません! (2020年1月4日 19時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)
- こんにちは!えーっと、誤字を見つけました。ページ25の若武君の「上杉は、…」で、『かかわっら』と書いてあるところがあります。『関わった』ではないでしょうか? (2020年1月4日 19時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まーお。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/9649c0265d1/  
作成日時:2018年5月15日 15時

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