＊ ページ14
わたしたちは、いっせいに和彦の手元をのぞきこんだ。
奥のほうに、切れたページのはしが残っている。
ほとんど見えないくらい、わずかに。
「でも、そんなことできないはずよ。」
有田先生が言った。
「この図書館は、ごらんのとおり、こんなに狭いでしょう？
閲覧室もないし。
私がいつもこのカウンターの中にいるんだから、
見つからずにページを切りとるなんて、できっこないわ。
帰るときには、カギをかけていくし。」
わたしは、よく来るからわかるんだけど、
図書室は、誰がなにをしていても一目瞭然で見渡せる。
「有田先生が、ちょっと席をはずしたすきにすばやくやったってことは？」
貴和の質問に、有田先生はキッパリと首を横にふった。
「席をはずすなんて、ありません。」
和典が、すかさず口をはさんだ。
「本当に？忘れてるってことは！？」
「ないわよ。」
和典、言いすぎ。
ムッとした口調で答えた有田先生のとなりで、
和彦がゆっくりと口をひらいた。
「この切り口は、すごくきれいだ。
顕微鏡で見なきゃはっきりとは言えないけど、たぶんカッターとスケールを使ってる。
ということは、そんなに急いでやった仕事じゃないってことだ。
急いでるのなら破りとってるよ。」
さすが、和彦。
わたしは、和彦の相変わらずの観察のするどさに感心した。
「となると犯人は、この本を借りていって、家で切ったってことになるよな。」
そう言いながら和臣は、有田先生を見た。
「この本を最後に借りた生徒の名前、わかりますか？」
有田先生は、まいったというようにため息をついた。
「それが......この本は、ここに入ってから、まだ一度も貸しだしてないの。」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＊＊＊
占ツクを開いて、通知を見たらお気に入りしてくださった方が
増えていて、叫びそうに「なりました」←重要。
本当に叫びそうになったのは、通知に「切られたページは知っているが更新されました」
と書いてあったことです笑
押してみたら「ページがありません」と出て、安心した作者でした。
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フェアリー - すみません。ページ7の11行目のとこ、｢ためすぎだろ｣じゃなくて｢だめすぎだろ」じゃないですか？間違ってたらすみませんm(_ _)m (2021年12月25日 19時) (
レス) @page7 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
星 - よかったです！ (2020年1月5日 7時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)
まーお。(プロフ) - 星さん» ありがとうございます！合ってます！即直してきました！ (2020年1月5日 4時) (レス) id: dbfd11264f (このIDを非表示/違反報告)
星 - 私が間違ってたらすみません！ (2020年1月4日 19時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)
星 - こんにちは！えーっと、誤字を見つけました。ページ25の若武君の「上杉は、…」で、『かかわっら』と書いてあるところがあります。『関わった』ではないでしょうか？ (2020年1月4日 19時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まーお。 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/9649c0265d1/
作成日時：2018年5月15日 15時
