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「Aおはよ〜！」
入学した頃より身長が高くなって、スカートが短くなった友人を見て胸が締め付けられる。
この制服を着て、友人と登下校を共にするのもあと半年も無いのかと思うの寂しくて仕方が無い。
「…おはよう！美海、本当に身長伸びたね。」
「そうかな？若干制服がきつくなったくらい…」
太ったから？と笑いながら言う美海を見て、時間を大切にしようと改めて思わされた。
夏の訪れを伝える、そんな風を昨晩感じた。
その風が、また私に夏の訪れを伝えに来た。
「美海、もしもさ。」
「…うん？」
「もしも、就職が決まって社会人になる男の人とお付き合いしてたら、美海ならどうする？」
私が四つ歳上の周助と付き合っていることは、誰も知らない、誰にも言っていない。
言えない理由があるとか、言える関係じゃないだとか。そういう事ではなく、ただ自分のプライベートをほかの人にベラベラ話していいものかという勝手な強がりなのだ。
「どうするって、なにを？」
キョトンという効果音がバッチリ合うくらいのキョトン顔を披露した美海に、思わず吹き出した。
「え？だって何が？好きだから付き合ってるんじゃないの？」
「……そ、うだよね。」
「相手が社会人だとか、社会人になっただとか。そんな事、相手と自分の恋愛っていう類の中で関係なくない？
だって、そうじゃない？好きだから、傍にいたいから気持ちを伝えて、気持ちが通じあったから今そうやって付き合ってるわけでしょ？」
「う、うん！」
「なら環境が変わるからって関係ない。年齢なんて以ての外！年齢で決めつけるド偏見野郎の方がおかしいもの。」
笑顔と一変、涙腺が緩んだ。
もし、と仮定した話の中でも美海は全力で向き合ってくれる、私に全力で伝えてくれる。
もしかしたら、"もし"が私だということを美海は知っているかもしれない。
それでも気付かないフリをしてる。
それでお互い幸せなら、それも一種の形なのではないだろうか。
「A？」
「なに？」
「Aの人生は、Aの物なんだよ？だから、Aがしたいように生きてほしい。もし道を間違えそうになったら、私が助けてあげる。だから、後悔しない道を選んでほしいの。」
夏の訪れを伝えるような風は、私に大切な事を伝えてくれた。
美海に精一杯の感謝を伝えられる日が来たらいいなとそう思える初夏だった。
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ゆーり - めちゃくちゃ感動しました！あえて主人公に手を出さないところとかがめちゃくちゃ不二っぽくて！ほんとに感動でした！ (2021年3月14日 16時) (
レス) id: 8ac4695b82 (このIDを非表示/違反報告)
桜田 しおり(プロフ) - 鮎太郎さんさん» そう言って頂けて嬉しい限りです。これからもこの作品をよろしくお願いします！ (2018年9月29日 20時) (レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
鮎太郎さん - ヤバイです！不二先輩かっこよすぎます！ (2018年9月27日 22時) (レス) id: 41a4e5daec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜田 しおり | 作成日時：2018年9月14日 7時
