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冒険の傷痕:23 ページ25

「よし、じゃあそろそろ行こうか」


整理した斜めがけのかばんを背負って二人に着いていこうとしたとき、クゥーン、と犬の鳴き声がした。


「あ、カミュ、A!犬がいる!」
「あっ、おいイレブン!」


キラキラと目を輝かせた勇者様は、くるりと向きを変えて、たったったっ、と鳴き声がした方へ駆け出した。


「…いいんじゃない、カミュ。ついこの前まで子供だったんだと思うよ」
「お前に言われたかねえと思うけどな」


純粋無垢な目で顔をふにゃりと緩ませて犬と戯れるその姿は、勇者ではなく少年そのものだった。


「おーいイレブン、それくらいにしとけー」
「もうちょっとー」
「何回目だよそれー」


というイレブンとカミュの会話はこれで五回目だ。全く、緊張感がないというか、本当に年上なのかと疑うほどの呑気さである。


「…イレブン、犬好きなの?」
「うん、幼馴染が飼ってた犬がいてね、小さい時よく遊んでた」
「そっか。…でもそろそろ行こう?イシの村のみんなも、幼馴染も待ってるでしょ?」
「…うん、そうだね」


なんとか説得して、イシの村に向かう道を辿る。のだが。


「…なぁ、あの犬付いてきてないか?」
「…ほんとだ」


クゥーン、と何処か悲しげな声色で付いてくる。何か訴えたいことがあるのか、じっとこちらを見つめている。


「うーん、迷子かなぁ…」
「こんな森の中でか?」
「とりあえずそこの小屋に連れて行ってみようよ。誰かいるかもしれないし」


私の提案に二人は頷き、付いてくる犬はひとまず近くにあった小屋に連れて行くことになった。

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設定タグ:ドラクエ11 , 女主   
作品ジャンル:恋愛
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千織(プロフ) - チロル/CHIROLさん» チロルさん、初めまして!有難いコメント、とても嬉しいです…!これからも精進していくので、見守って頂けたらと思います! (2018年11月3日 7時) (レス) id: 43a89afe6e (このIDを非表示/違反報告)
チロル/CHIROL - はじめまして!ドラクエファンなので、ドラクエの夢小説を書く人がいるのか!と驚き拝見させていただきました!掴みにくい世界感を表現されていて千織さんはすごいと思いました!これからもがんばってください! (2018年11月2日 22時) (レス) id: f7aec74604 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千織 | 作成日時:2018年10月29日 20時

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