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騙す ページ8
十四松の事件から一日が経った。Aとは会っていない。
十四松は、頬にガーゼを貼っている。
そのとき、先生から呼ばれた。
「松野くんたち、ちょっと来て」
部屋に入ると、スーツ姿の男の人と、女の人が椅子に座っていた。
「君たちが、松野くんだよね？」
彼の問いかけに、おそ松が小さく頷く。
「だったら話ははやい。君たちを、こちらでうけとらせてもらおう」
先生が説明する。
「おそ松くんたち、今日からあの二人があなた達の家族になるのよ」
「えっ」
施設に入れられてるから、今日みたいな日が来ることは分かっていた。だけど、急すぎると思った。
「挨拶が遅れたわね。私は鈴木美香。こっちは小林悠一よ」
と、女の人が自己紹介をした。
先生が紙を持ってきて、「では、ここに署名と捺印を…」と言った。
彼──悠一は小さくうなずき、紙に捺印を押した。
悠一は立ち上がり、俺らに手を差し出した。
「行くぞ…”息子”たちよ」
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作者名：唯那 | 作成日時：2017年3月9日 21時
