帰り道 ページ12
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「なんで日向がいんだ」
『最新のデータ渡すんだよ。飛雄にはもう渡したやつ』
「ああ、昨日のか」
「腹減ったな〜」
翔陽はいつもお腹減っているイメージ。
春高の " 発熱退場 " があってからものすごく変わったと言っていた。
食事に気をつけたり、特に睡眠。
あれがなかったら大人になってあんなに上手くなってない。
もし、私が色々と翔陽に言ったら発熱退場が無くなって鴎台との試合は勝つかもしれない。
でもそうしたら、翔陽はブラジルに行くのだろうか。
行ったとしてもあんなに強く上手くなっていないだろう。
「……樋山さん?どうかした?」
『––––ん?ああ、ちょっと考え事』
「バレーのことかよ」
『まあそんな感じかな』
そう言うと2人は目を合わせ、「教えろ」と言ってくる。
『ただ、2人の将来はどうなってるのかなって思っただけだよ。バレーしてそうだよね』
「俺はする」
即答する飛雄。
一方翔陽はというと。
「……バレー、したいけど、できんのかな」
高校生になって初めて見た翔陽の弱音。
しかも飛雄がいるところで。
「ハッ、下手くそだもんな」
「うるせえよ!」
『–––––––––日向くんは、絶対上手くなるよ』
根拠を言うことはできないけれど。
『10年経ったら2人の関係がどうなってるかわかんないしね。もしかしたら日向くんが飛雄より有名な選手になってるかも』
「それいいな!」
「良くねえ!」
3人での帰り道は、オレンジが眩しかった。
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作者名:池田 | 作成日時:2020年7月3日 12時