仲良く ページ11
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同じクラスである飛雄との距離は徐々に近くなり、また家も近いことが判明した。
部活帰りは翔陽が仁花ちゃんを送り、飛雄が私を送っている。
本当は、翔陽と帰りたいんだけどな。
勿論飛雄と仲良くできたことは嬉しい。
でも翔陽ともっと話したいという欲が出てしまう。
『飛雄、今日サーブ良いね』
「おう」
子供のような笑顔で笑う飛雄。
母性をくすぐられるような感じでこそばゆい。
高校生、だもんなあ。
『日向くんも、スパイク良い感じ』
「おー！」
キラキラした笑顔が本当に心に響く。
『月島くん、リードブロック上手になってきてる……！』
「それはどうも」
『山口くんもジャンフロ良くなってきてる……』
「すごいね、観察力」
目は昔から良い方だったけれど、今は目だけでは限界がある。
大人のときは機械が発展していたため今よりももっと簡単にデータを集めることができたのに。
「樋山さん！」
『どうしたの？』
休憩中、翔陽が話しかけてきてくれた。
「最新のデータ、ない？」
『家にあるから明日持って……あ、明日部活無いね』
3日後は練習試合だ。
それなのに明日は体育館の点検で部活が無い。
「そっか……」
『良かったら帰り家来る？遅くなるけど。渡すなら早い方が良いでしょ』
「え、いいの！？ありがとう！」
ドリンクを床に置き、私の両手を手で包む。
掌が分厚くて、大人の翔陽の手の面影があった。
その手に包まれてると安心する。
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作者名：池田
| 作成日時：2020年7月3日 12時
