名前 ページ10
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『影山くんならできるよ』
「やってみせる」
『楽しみだね。……あ、良かったらコレ使って。影山くんのサーブまだまだ安定してないでしょ』
「…すげえ、これ、お前……じゃなくて樋山さんが」
『データ集めるの好きなの。とりあえず今までの分』
言いにくかったら名前で呼んでいいよ、と影山くんに伝えるとじゃあ俺も名前で良い、と。
翔陽より先に影山くんを名前で呼ぶことになるとは思って無かった。
「下の名前なんだ?」
『ふっ…Aだよ』
そうか、と彼は微笑んだ。
*****
無事速攻は東京合宿で成功した。
他にも部員のみんなが練習していたことが身を結び、良い結果となった。
「A。さっきのサーブどうだった」
『回転が緩かったかな。……ふふっ、まだ及川さんには敵わないねえ。それと––––ああいや、何でもない』
宮侑にも。
そう言おうとしていた。
「くそ、回転か」
高校生No. 1セッターと言われていた宮侑のサーブは、当時は二刀流だったみたいだ。
春高で、出会うのか、あれと。
影山くんは大人になってその宮侑を抜いてサーブでトップになったというから凄い。
『頑張って!』
「影山!お前名前……」
「あ?何だよ日向」
「いや、何でもねえけど」
翔陽が私達に駆け寄ってくる。
『どしたの、日向くん』
「えーーーっと、なんでもねえ!影山!練習するぞ!」
顔を赤くして飛雄を連れて翔陽はコートに入っていった。
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作者名:池田 | 作成日時:2020年7月3日 12時