2人きり ページ13
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じゃあ、と飛雄と別れ翔陽と2人きり。
「……さっき、上手くなるって言ってくれて嬉しかった」
『思ったこと言っただけだよ』
「それでも、嬉しかった！俺、もっと強くなって春高行く。絶対に」
『うん………楽しみだね、春高』
「–––––––あのさ、」
自転車を引く手を止め、翔陽は止まった。
少し先に歩いていた私の足も止まり、振り返って翔陽を見ると目が合った。
「俺も、名前で呼んでいい？」
" 名前で呼んでもいい、ですか？ "
ふふ、と笑みが溢れる。
『勿論！むしろ呼んで！翔陽！』
「………おう！A！」
歯を出して笑う彼が好きだ。
彼の笑顔を見ると嫌なこと全部忘れちゃう。
『もうすぐ大会だね』
「…全部勝ってウシワカ倒す！」
『ウシワカ？』
「白鳥沢のエース！」
そうか、白鳥沢には牛島さんがいたんだ。
あの強烈なパワーは大人になるにつれどんどん強くなり。
高校生の時はどんなのか気になるな。
「Aっていつからバレー好きなんだ？」
『うーーーーん、』
20歳のときに興味を持ったから、ざっと6年前くらい。
『6年前くらいだよ』
「………じゃあ！小さな巨人、知ってるか！？」
『…星海、』
「ん？ホシウミ？」
『あーいや、人違いかな。知らないや』
私の中の " 小さな巨人 " は星海光来さんだ。
翔陽が言う、小さな巨人とは誰なのか、もやすごく気になった。
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作者名：池田
| 作成日時：2020年7月3日 12時
