木の葉の影「NARUTO」

巻ノ四十四 ページ45

────
─

寒い冬もあっという間に過ぎ、桜が満開に咲く頃。


貴「おめでとう！オビト」

ﾐﾅﾄ「よく頑張ったね！」



ｵﾋﾞﾄ「ありがとう！A先生、ミナト先生！」


春、オビトは二度目の中忍試験を見事突破して下忍から中忍へと昇格した。

これでカカシ、オビト、リンの3人全員が無事に中忍になった。


中忍証明書とベストを手渡すとオビトは嬉しそうに受け取り、大事そうに抱えた。

ﾐﾅﾄ「さあ、カカシとリンに報告しといで。
君の知らせを待ってるはずだよ」


ｵﾋﾞﾄ「ああ！じゃあね、A先生！ミナト先生！」

軽やかな足取り、満面の笑みでオビトは建物を後にしていく。


貴「オビト、頑張ってたもの。
本当に良かった、自分の事のように嬉しいよっ」

ﾐﾅﾄ「これで3人全員が中忍だ。A、君も初めての教官よく頑張ったね｣


貴「うっ･･･そういうのやめてよ｣

頬を少し膨らまして口を噤むと目頭をぐっと抑え、兄さんはポンポンと頭の上で優しく手を弾ませた。

ﾐﾅﾄ「ははっ。ごめん、ごめんっ。
Aは意外と涙もろいもんね」

貴「あ〜っ･･･3人が立派な忍になるのは嬉しいけど、離れてくのは寂しいなぁ｣


目元をゴシゴシと擦ると深く息をはいた。

窓の外を眺めると、桜の下で喜んでいるオビトにカカシとリンの姿が目に入る。


貴「カカシ、オビト、リン、頑張れっ。
君たちはこれからだよ」

そう小さく呟くと口元を綻ばせた。





〜＊〜

季節は変わり秋、演習場ではピリピリとした空気が流れている。

ﾐﾅﾄ「これから行うのは実践訓練だ」

貴「訓練だからって油断してると命にも関わる、いいね？｣


『ハイっ！』



木の中を走って行く、カカシ、オビト、リン。

事前に罠を仕掛けていた場所に術式を書いたクナイを刺しており、私とミナトはその場所に移動する。



先に罠を発動させたのはミナト。

クナイで糸を切るとカカシ達の後方で爆発が起こる。




上手いこと誘導させると、カカシとオビトはクナイを手にリンを庇うような隊形になった。

仕掛けておいた罠の糸をまとめて切ると、幾つもの手裏剣がカカシとオビトに飛んでいく。



木の枝に片膝をついて、カカシ達の様子を見ているとミナトが隣にやって来た。

ﾐﾅﾄ「カカシは全て防いだね」

貴「ええ、オビトは････」

巻ノ四十五→←巻ノ四十三

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す