【◇】意地悪なカレ２ (ページ33)

今日:6 hit、昨日:19 hit、合計:74,298 hit

83 ページ33

.

倉持

また出遅れた。

前の体育の時といい、今日の朝練の時といい、肝心な時いつも御幸に先を越されてしまう。

しかもキスした事があるってあいつ認めてたし。

好きじゃねえって言ってるくせに助けたり、キスしたりするのが許せなかった。

昼休み、Aの教室に向かう。

「Aいるか？」

教室の中で不思議そうに俺を見ていたので、手招きをすればこっちに来てくれた。

いきなり会いに行くっていうのもあからさまな気もするが…この際、なにふり構ってられねえよな

「どうしたんですか？」

「今日、朝体調悪そうだったけど大丈夫かよ」

「授業中何度か眠くて意識飛びそうになったんですけど、どうにか大丈夫みたいです」

へへへと笑う姿も可愛くて、俺って重症だな

好きになった途端、前よりもどんな仕草も表情も可愛く思えて仕方がない。

「もしかして心配して来てくれたんですか？」

「ま、まあ。ちょうど沢村に用もあったしな」

いつもそうだ。

本当はAが心配で会いに来たのに、照れ隠しで嘘をついてしまう。

.