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倉持
「あげたのはAなんだから、俺は無実だー！」
そう捨て台詞を残して出て行ってしまった。
あの野郎、逃げやがって…
俺もジュースでも買いに行くかと自販機に向かえば、亮さんとその弟が自販機の前にいて買いづらい。
あの二人が話してんの見るの珍しいな…
なんとなく遠慮してしまい、後でまた来ればいいかと部屋に戻ろうとしたらーー
「兄貴ってAさんのこと好きなの？」
Aの名前が出てきて立ち止まってしまった。
「なんで？」
「だってこの間も家まで送ってあげたり。今日だって送っていってあげたんでしょ？」
知らなかった、亮さんがAを送ってる事なんて…
「送ってくだけで好きだと思われんの？」
「いや、違うよ。やたらAさんの前だと表情も柔らかいっていうか…それによく嫌味も言ってるし」
そう言われてみれば、確かに亮さんがAに向ける視線は優しくて少し疑問に思ってた。
今日もAと話してる途中であいつのこと呼び出したりしてたし…
胸がザワザワする。
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作者名：おにぎり | 作成日時：2021年3月27日 6時
