馬鹿みたいに一途な恋。【花垣武道】 (ページ3)

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第2話ページ3

そうこうしているうちに、武道の母親が彼を迎えに来た。

「もう……!急にこんなところまできて、どうしたの!まだ幼いんだから、遠くまで出歩いちゃだめよ!」

「ごめんなさい……」

「……」

武道を叱りながらも、本気で心配している母親。
大切な息子をギュッと抱きしめていた母親。

Aはその光景を、羨ましそうにただ見つめていた。

いいなぁ…。優しそうなママ、わたしもほしい。

Aの母親は兄を連れて、交番にやってきた。

「A……!何やってるの、人様に迷惑かけて……!」

「うっ……!!」

母親はAにバシンッ!と頬を叩いた。

「お母さん、何もそこまで……」

「いいえ、ここまでしないとこの子は分かってくれませんよ……!」

何やらAの母親は、お巡りさんと話をしているようだった。

「Aちゃん、一緒にお外で待っていようか。」

「うん…」

「よけいなコトするからこういうことになるのに。」

すれ違うとき、ボソッと兄に嫌味を言われた。

Aは武道と彼の母親に連れられて、外に出た。

「ほっぺ、痛かったね。」

武道の母親は、Aの頬を優しく撫でてくれた。

「ほんとはね、すっごく痛かったの…」

ポロポロと泣き出すAに、武道はギュッと抱きついた。

「Aちゃんはトクベツ。ヒーローのパワーわけてやるよ！」

優しく笑ってくれた彼に、Aはこの瞬間から恋をした。