【瀬名泉】君を忘れる約束【月永レオ】

遺言 ページ10

月永 レオ side





話はあの日に遡る
おれが壊れた日






「 全部、忘れて 」






忘れたくて、忘れられたくて、ぼろぼろに壊れていたから、逃げた






セナが泣いてるAを抱きとめる、それだけで涙が出そうで






走ってたら、川に携帯を落とした。
連絡先にはAと、セナ






だから、結果的には良かったんじゃないかと思う。夢ノ咲で過ごした、キラキラした青春の日々を忘れられれば、それで。






作曲の出来ない月永レオは要らないんだ。所詮ガラクタとか、人形にしか過ぎないんだって。




言葉は不便だし、音は伝わらない
過去の楽譜は難解で、この世界は綺麗なものしか好まない






「 なぁセナ、A、教えてくれよ 」





何でお前らは、おれの隣に居てくれたんだ






おれの何が良くて、一緒に居てくれたんだ






おれはきっと、“ アイドル ”なんかになれなかった。作曲ができなければ要らないのだから。





“ 皇帝 ”なら何と言うだろう、テンシ。




“ 魔王 ”なら何と言うだろうな、レイ。






セナなら、Aなら、何と言うだろう。





なぁセナ、お前はほんとアイドルの鑑だよ。おれなんかに合わせなくていいんだ、お前ならもっと輝ける。






「 A 」






おれは、お前のマジックを見るのが大好きなんだ。いや、お前自体が大好きなんだ。いつだってインスピレーションが湧いて、___






手がぶらぶらと、動かなくなった






もう作曲は出来ないのだろうか






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