28話 ページ29
小さい頃からずっと
登下校は下を向いて歩くばかりだった。
だけど、今日は夏目くんが隣にいる。
それだけでほんの少しだけ
前を向けているような気がした。
夏目「さァ、行っておいデ」
【2-B】と書かれたクラス表の目の前で
ゴクリと喉を鳴らす。
教室を目前にした途端
極度の緊張状態で変な汗が流れる。
足も震えて、顔をあげられない。
扉へ手をかけることすら出来ない。
どっと不安が押し寄せる。怖い。
怖いよ、夏目くん
ｰｷﾞｭｰ
夏目「“大丈夫、大丈夫だよ”」
ゆっくりと落ち着かせるように
夏目くんは優しく私の手を握った。
たったそれだけの行動でどうしてこんなにも
勇気を貰えるんだろう。
心が満たされるんだろう。
握った手を優しく扉へと誘導してくれる。
まだ全ての不安や恐怖が拭い切られたわけではないけど
それでも夏目くんが隣にいてくれるから。
背中を押してくれるから。
怖くても、私は1歩を踏み出せる。
ｰｶﾞﾗｯｰ
『…ぉ、おはよう！』
声は届いただろうか。
震えてしまって上手く発声出来ていたのか分からない。
静まり返る教室。
いや、元々静かだったのかな。分からない。
嵐「やだちょっと！Aちゃん？！
一瞬気づかなかったわ〜。体調を崩したって
聞いてたけどもう大丈夫なの？」
パタパタと駆け寄ってきたのは嵐ちゃん。
私の話をよく聞いてくれる
綺麗で可愛いお姉ちゃんみたいな嵐ちゃん。
晃牙「お前、もう大丈夫なのかよ！
結構高い熱が出てるらしいってあんずが言ってたけど」
バタバタと駆け寄ってきたのは晃牙くん。
心配そうに眉を下げる姿は
捨てられた子犬みたいな優しい晃牙くん。
弓弦「顔色があまりよろしくないようですが
まだ本調子ではないのでは？」
スっと横から現れたのは弓弦くん。
言葉遣いや身振り手振りがとても丁寧で
よくとても美味しい紅茶を入れてくれる弓弦くん。
みか「Aちゃんがおらんくて俺寂しかったんよ〜！
心配してたんやでぇ…」
嵐ちゃんのうしろからひょこっと顔を出したみかくん。
今にも泣き出してしまうんじゃないかと
思わせるほど瞳をうるうるさせる姿は、
ステージ上とはまるで違うみかくん。
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刹那*(プロフ) - うわーおさん» 完璧だなんて、ありがとうございます！最近不更新気味ですが、今後もよろしくお願いします！ (2018年3月9日 12時) (
レス) id: 423d651c31 (このIDを非表示/違反報告)
うわーお(プロフ) - 夢主イラストめっちゃかわいいです！ストーリーも面白くて、完璧ですね！ (2018年3月8日 22時) (レス) id: adfef0e398 (このIDを非表示/違反報告)
紫之 ルカ - レオレオレーオ、夏目夏目夏ー目 (2017年11月10日 21時) (レス) id: 8ab7822bc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雑種 | 作成日時：2017年3月6日 3時
