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7 .少女 ページ10



暗くなった夜道にひとり。
今にも泣き出しそうな少女。

そんな少女の目の前にしゃがんで、
大丈夫だよ、と声をかける少年。

それでも、怖い、怖い、と怯える少女に、
彼は言った。



「 それじゃあ、僕がずっと傍にいてあげるよ 」



人の優しさを知らない少女は、
誰かの言葉を信じることが出来なかった。



「 わたしは、いいの 」



ひとりでいることに慣れすぎていた。
ひとりが怖いのに、誰にも助けを求められない。

そのことに気づいてほしいのに、
気づいてと言えない、不器用な少女。



「 僕は、君の傍にいたいな 」



それでも少年は、彼女に手を差し伸べ続けた。

少女が寂しい思いをしていると、
気づいていたからだ。

何もない、風景とすら呼べない世界で、
少女は少年と出会った。



「 …ほんとにずっと、傍にいてくれる ?」

「 ああ、ずっと傍にいるよ 」



ひとりでいることに慣れすぎていた少女は、
はじめて、他人の温もりを感じた。



「 おねがい、ずっと 」



少年の言葉を信じた少女は、
そっと、彼の手を取った。

この出会いが、運命だとしたら_____

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作者名:陽茉理 | 作成日時:2017年8月10日 16時

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