８ ．信頼( 1/3 ) ページ11
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光を感じて目を開ける。
窓から朝日が差し込んでいた、朝が来た。
そういえば昨日、
おとぎ話のような、そんな夢を見た。
どこか見覚えのある景色と、
懐かしさを感じた話だった。
なんだろう…。
こんなにモヤモヤしているのに、
目覚めはいいなんて、変なの。
『 そうだ、今日は彼が来るんだった 』
わたしを自由にしてくれた人。
まだ、名前で呼んだこともない。
呼んでみようかな、赤司くん。
出かける準備をしているわたしは、
自分でもわかるほどに、気が弾んでいた。
今日はワンピースを着ていこう、
なんて、考えたことなかったのに、
服装のことまで気にしてしまうほど
楽しみなのだろうか、きっとそうだ。
赤「 …おはよう、A。もう起きているかい ？」
『 おはよう、起きてるよ。ちょうど今ね、準備が終わったの 』
赤「 そうか、いいタイミングだったね。今日はまた新しいところに行こう 」
『 うん、今行くね ！』
" 新しいところ "
今日はどんな世界が、
わたしを出迎えてくれるのだろうか。
『 あっ、ゆきまる ！』
赤「 乗馬の練習をしながら、目的地へ行こうと思ってね 」
『 また教えてくれるの ？』
赤「 もちろん。さあ、乗って 」
馬に乗ると、背が高くなった気分。
少し怖いけど、後ろには彼がいる。
『 轡、持ちます 』
昨日教えてもらったことを
ゆっくり再現してみると、
昨日より進んでくれる白馬。
赤「 １日でここまで上達するなんて、すごいじゃないか、A 」
『 赤司くんの、おかげだよ 』
さりげなく、名前を呼んでみた。
後ろで彼が、そっと動きを止めたのがわかった。
赤「 …僕のこと、認めてくれたのかい ？」
『 だって、わたしにこうしていろいろ教えてくれてるんだもん。今信頼できるのは、赤司くんだけ 』
赤「 そうか。そう言ってくれて嬉しいよ 」
再びギュッと力を入れてわたしの手を包む
赤司くんの手は、とても温かかった。
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作者名：陽茉理 | 作成日時：2017年8月10日 16時
