咆哮ディザイアー！ ページ8
水分補給を終えると、ラギー・ブッチの青白かった顔に色がもどりつつあった。
こっちが一段落つき、再びレオナ・キングスカラーの方に目を向けると、いつの間にかリリア先輩が前に出ていた。
｢フン。お主のような男には、王冠よりその首輪が似合いじゃ。サバンナの王者のライオンが聞いて呆れるわ｣
｢……あぁッ！？｣
｢お主は持って生まれた才や順序のせいで王になれぬと嘆いているようだが、報わぬからと怠惰に生き、思惑が外れれば臣下に当たり散らすその狭量さ。
その程度の器で王になろうなどと……我らが王、マレウスと張り合おうなどと、笑わせる。
たとえマレウスを倒せたとして、その腐った根性を捨てぬ限り……お主は真の王にはなれんだろうよ！｣
発する言葉といい、目付き。あと、雰囲気も、私の知ってるリリア先輩ではなかった。
そして、“我らが王”と敬意のある名で呼ばれたマレウスという人物は、出店を回ってた時｢なんと耳が2つもついとるんじゃァ!!!!｣とか言って話してたディアソムニア寮の寮長と名前が一緒な気がするが、同一人物だろうか……。
こんな緊迫した状況で、複雑な感情と葛藤していると、
空気が変わったのがわかった。
｢は、はは……アァ、そうだな。そうだろうとも。お前の言う通りだ………はははは！俺は絶対王にはなれない……どれだけ努力しようがなァ…………！｣
突然、地面がゴゴゴゴッという音を立てながら震え始めた。
｢なんだ！？全身の毛がゾワゾワするんだゾ！｣
『っ……』
.｢A……？｣
ピアスの効果が発揮され、抑えられてはいるが、リドル先輩の時と同じ、あの特有の息苦しさを感じた。
｢急速にレオナの魔力が高まって……っ、くっ、魔力封じが、持続できないっ……!!!｣
違う。これは魔力じゃない。
｢この邪悪な負のエネルギー……まさか！｣
｢みんな、伏せろ！｣
けーくん先輩の声に従い。みんながその場にしゃがみこむと、レオナ・キングスカラーに付けられた魔法封じの首輪が吹っ飛んだ。
その衝撃波はこっちにも届いて、私はギュッと目をつぶることしか出来なかった。
負のエネルギーと共に放出される魔力。その後の展開は予想ができてしまった。
｢俺は生まれた時から忌み嫌われ、居場所も未来もなく生きてきた。どんなに努力しても、絶対報われることはない。その苦痛が、絶望が……お前らにわかるかぁアアアアッ！｣
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トランプの化け物(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます!!!!!┏○ﾍﾟｺｯまだまだ2章ですが、約300ページもあるものを一気読みしていただけて嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2023年1月8日 23時) (
レス) id: cf0e2ef387 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めちゃくちゃ面白くて、一話から一気読みしてしまいました！更新頑張って下さい、楽しみにしてます！ (2023年1月1日 23時) (レス) @page5 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トランプの化け物 | 作成日時：2022年12月19日 17時
