revenge ページ25
優鶴side
あっという間に、日々は過ぎて行く。
“革命”に前向きになった明星のことも、
許容範囲内だ、
聖夜からは、そう聞いた。
敬人「優鶴、考え事か？」
優鶴「あぁ」
視界の奥で、
何人かが指定されたダンスを踊っていた。
拙い、出来の悪いダンスだ。
余計な動きが多すぎる。
退屈だ。
敬人「体操服くらい、持ってきておけ」
優鶴「学校にいるだけで、御の字だ。
・・・・騎士団のインナーシャツでなら、
出来るぞ。」
「なら、それでいい」
最後の一人として、先生が俺を手招いた。
単位をいくら落としたところで、
俺には痛くも痒くもないけど。
まぁ、何もしないよりいいだろう。
優鶴「なんの曲？」
「・・・・このCDの中にあるやつから選べ」
ーーー
敬人「おい！優鶴・・・！」
昼休み、
授業で使用したレッスンルームから一目散に出て
教室に置いてある鞄を持って、
足早に教室を出る、
あいつらの顔を見たら、
殴り殺しそうだ。
早歩きで俺を追いかけてきた守沢や、
敬人が若干息切れしているし、
吐く息が、白い。
敬人「貴様、学院を永久凍土にでもするつもりか」
優鶴「だから、帰るんだ。
それに、今あいつらを見たら
殴り殺しそうだ。」
「に〜ちゃん♪
どうしたの〜？春にクーラーは必要ないよっ☆
ほら見て！
ペットボトルの水が凍った〜☆」
優鶴「・・・・聖夜」
聖夜「ヒビが、にいちゃんの足音がする〜！
って
怖い音と一緒だ〜って言ってたから、
きちゃった☆
・・・なに、言われたの？
“天誅”？“神罰”？
処す？処す？」
俺の首に抱きついて、
視界に凍ったペットボトルを放り込んできた聖夜。
なるほど、
今俺は、怒っていると。
聖夜「今日は久々に3人でレッスンでしょ？
帰っちゃうの？
にいちゃん」
優鶴「・・・・専用のレッスンルームにいる。
遅れるなよ」
聖夜「はぁい☆」
敬人と守沢の間をすり抜けて、
『sacred』専用のレッスンルームに足を踏み入れる。
ここは、学院内での
俺の数少ない“安地”だ。
kingz crown cupで独占を果たした、
俺たち『sacred』の為に学校側から用意された、
専用の場所。
俺が荷物を放置して、
心置きなく眠れる場所。
ーーーーいや、
心置きなく、ではないか。
寝てたら、十中八九
五奇人二天人の誰かや、英智や敬人が
飛び込んでくるから。
ーーーセカイ、だけなのか。
結局のところは。
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作者名：クラウン | 作成日時：2021年2月17日 4時
