【忍たま】姉は弟になかなか会えない 5

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この後どうやって洞窟内に入ろうか。どうせ私がここにいることバレているんだろ？じゃあ忍び込んでも意味がないし面白くない。じゃあどうするか。

……え、マジでどうする？奇声でも発しながら突撃する？いや確かに意表は付けるかもしれないが伏木蔵に引かれるだろ。我3年ぶりの再会ぞ？3年の歳月で何があった？頭大丈夫？って思われるだけだろ。最悪嫌われる。何それオワタ。
あ、煙玉を投げ入れて煙幕の中から登場とかどう？忍者っぽいし派手だし演出ポイント高いでしょ！！それに煙幕でもしかするとアイツが私のことを見失って、下手に絡まれなくて済むかもしれない！なにそれ最高か？ただ問題は煙玉を持っていないということかな！！！はい無理ゲー！！！てか演出ポイントって何？

そうだ！！！じゃあアレだ！！！今日3度も経験したアレをやろう！！！！

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如何なる状況であれ本来ならAの脳内がここまで盛り上がりを見せることはなかった。だが今日は様々なことが起こり過ぎており、Aの心身は悲鳴をあげていたのである。だって忍術学園の特別講師になったのも、自身にイタイ異名が付いていることを知ったのも、弟が行方不明になったのも全部今日なんだぜ？1日にイベント詰め込み過ぎだろ！？

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洞窟の入り口に辿り着いた。チラリと中を伺えば、焚き火とその向こう側に大きな人影がひとつ。モゾモゾと腹部辺りが動いているからそこに伏木蔵がいるんだろうなぁとAは思いつつ懐から苦無を数本取り出す。

何故いきなり苦無を取り出したのか。それはAの荒れに荒れまくった脳内が導き出した洞窟内に入る方法が『苦無を突然飛ばして牽制しよう』というものだったからである。実に物騒だ。
しかしお忘れかもしれないが、この物騒な行為をAは本日3度経験している。1度目は庵で土井から、2度目は作法部屋で立花から、3度目は洞窟でまたしても立花から。そのせいもあり、Aの脳内では『忍術学園=苦無を突然投げる』という謎の式ができてしまったのだ。そしてAは特別講師という地位についた忍術学園の立派な一員である。まだ就任してから1日も経っていないが日数など関係ない。忍術学園の一員であるのならばこの式に則(のっと)るしかないだろう？

というわけで、取り出した苦無数本を連続して洞窟内に投げ込んだ。苦無はどれも綺麗に地面に刺さった。刃先方向にいた人影が後方に飛び退き避けたのである。

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