検索窓
今日:3 hit、昨日:36 hit、合計:25,054 hit

31-3 ページ43

.

「この薄過ぎる気配知ってるなぁ」


2人目の存在を把握したAの口から最初に出た言葉はこれだった。Aはこの無いに等しい薄すぎる気配を持つ人物を知っているのだ。


アイツとは偶然出会い、その後は結構な頻度で会っていた(・・)。というか気配が薄すぎて気づくと背後にいるのである。軽いホラーだ。ぶっちゃけもう体験したく無い。

アイツはAと同じく忍者だった。そして優秀と言われるAと同じくらい__もしかするとそれ以上__優秀であった。お陰で、いくらAが気配を潜め会いに来たアイツをやり過ごそうとしてもあっさり見つかった。悔しいったらありゃしない。

ただ毎度お菓子を持ってくるのでAは邪険にできなかった。アイツが選んでくるお菓子はどれもこれも美味しくてAの好みだったのだ。『食べ物に罪はないから仕方なく貰う』とAは言っていたが、実際はアイツがお菓子を持ってくるのを楽しみにしていたし貰うというより強奪レベルで掻っ攫っていた。
余談だが、たまにお菓子以外の(かんざし)(くし)といった装飾品を土産として渡されることもあったのだが、そのときのAはお菓子を土産として持ってきたときより幾分テンションが低かった。まあお菓子同様強奪していくのだが。『物に罪はないからな!』という考えらしい。


閑話休題


そんなアイツが何故伏木蔵と一緒にいるのか。その疑問ももちろんあるのだが、Aの頭には別のことが浮かんだ。


「私が気づいたってことはアイツも気づいているよなぁ」


そう、上記に記したようにアイツはAと同等かそれ以上の忍者なのだ。Aがアイツの気配を感じ取ってその存在を把握したのならば、それ即ちアイツも同じようにAの存在を把握したと言うことである。


「はぁ、穏便に済ませたかったんだけど仕方がないか……」


大きな溜め息を吐きつつ音も無く地面に降りた。目線の先には洞窟の入り口。ゆっくりゆっくりと音を立てずにそちらに近づく。

さて、このときのAの脳内は静寂を意識している身体とは裏腹に盛大に盛り上がっていた。

31-4→←31-2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (77 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
160人がお気に入り
設定タグ:忍たま , RKRN , 鶴町伏木蔵
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

レオン(プロフ) - 零さん» コメントありがとうございます。続きを更新しました!続編にてご覧ください。 (2022年8月3日 15時) (レス) id: bc25bf8dca (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続きが速く見たいです (2022年7月30日 14時) (レス) @page47 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
レオン(プロフ) - 小桜さん» コメントありがとうございます!更新を喜んでいただけて嬉しいです!これからも頑張ります!!またご指摘もありがとうございます。訂正いたしました! (2022年7月5日 21時) (レス) id: fc3a292471 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 更新嬉しいですー! 29-6の夢主さんの説明のところ「高いく」は「高く」ではないでしょうか? 一応お伝えしときます。これからも無理のない範囲で頑張って下さい! (2022年7月5日 16時) (レス) @page34 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
レオン(プロフ) - マイさん» コメント、そして応援ありがとうございます!面白い、好みと言っていただけてとても嬉しいです!!これからも頑張りますのでお楽しみいただければ幸いです! (2022年7月3日 10時) (レス) id: fc3a292471 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:レオン | 作者ホームページ:ありません  
作成日時:2022年6月21日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。