10曲目 ページ12
「懐かしいなここ」
ナツメとワタルに見送れ手芸部部室の前までやってきた
懐かしい。初めて夢ノ咲学院アイドル科に入り込んだ時次に来た場所。
そういえばA組の名簿見た時にシュウしか居なかった。
シュウの愛しき人形の...えーっとニト？はB組なのかな。可愛い金髪の子、確かシュウと同い年だったよね。
あとオッドアイが綺麗な子もいてたな。カゲヒラ？だっけ。
そのシュウ、そしてシュウの芸術作品のニトとカゲヒラに会うのも楽しみにるんるんとドアノブに手をかけると声が聞こえてきた。
「んあぁ〜！お師さん！ずっと寝てへんやん...徹夜続きやと体壊すで〜！お師さん寝て〜や、あとクロワッサンもあるから食べてぇ〜な！」
関西弁が部室から聞こえてくる。この声は知っている。
カゲヒラの声だ。
「影片！五月蝿いのだよ！寝ていたらこれが終わらないだろう！あとまた衣装のボタンが外れているのだよ！」
カゲヒラを怒るこの声も知っている。
私は嬉しくなって勢いよくドアを開けた。
「シュウｯｯ！！」
ドンッとドアが壁に開くと2人は驚いた顔をして私を見てきた。
「あれ？二人しかいないの？ニ...」
「影片、前言撤回しよう。Aが幻覚として見え始めた。寝る」
「んあぁ...お師さん...！やっと眠りに...！おれにもなんかオレンジ髪の女の人が見えるけどおれも寝た方がええんかな〜？」
「いや、あの、私幻覚違う。起きて。ちょっとでも待って寝てないんだったら寝てそしてメシを食え」
シュウは頭を抱えはじめ、カゲヒラは目を擦りながら布をそそくさと取ってくる。するとすぐ側にある”お人形さん”が喋り出した。
『宗くん大丈夫よ。幻覚じゃないわ、ちゃんとAちゃんよ、みかちゃんも慌てないで』
この子もちゃんと覚えてる。可愛い小さい女の子。
「あなたも久しぶりだね、マドモアゼルちゃん？」
『ふふっ、お久しぶり、Aちゃん』
「...本物の...Aなのか？」
「お師さん？マド姉ェ？じゃあ、おれのも幻覚ちゃうってこと？」
シュウとカゲヒラは驚いた顔で私を見た。
シュウは慌てて私の肩を掴む。シュウらしくない。
それほど私に驚いてる
「A...Aなのか...！？」
「Aだってばシュウ」
「何故ここに居るんだ！？」
「お、お師さん落ち着いてぇ〜！」
久々にこの人達に会えて嬉しい。
けど1人足りない
「あれ？シュウ、一番の傑作って言ってたえーと...ニト？は？」
その場が一瞬にして凍ったように感じた
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作者名：ルナ | 作成日時：2022年4月16日 6時
