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禁断の果実を16口 ページ17

『や、やだなー!日向さん、エイプリルフールはもう終わったよ?』
お願い…お願いだからさ…嘘って言って。
嘘だ!ダァホ!!って言ってよ…。
それで、いつもみたいに笑って…。
「俺は、本気だ。」
眼鏡の奥の真剣な瞳はバスケをしている彼そのものだった。
『っ!もし…それが、本当だとしたら……私は、日向さんと付き合えない。』
「……好きな奴…いるのか?」
どくんっ!と、心臓が止まりそうになった。
でも、はっきり言わないと…。
『ううん…もう、付き合ってるから…。』
「誰と?」
『……ごめん…今は、言えない。』
「言えないような奴と付き合ってんのか?」
『違う!でも、今は言えないの!!』
「なんだよ!今は言えないって!俺だからか!?俺だから言えないのか!?」
こんな、日向さんを見た事がなくて肩を揺さぶられた私はガタガタと震えていた。
初めて…男の人が怖いと思った。
そんな、私を見てか我に返った日向さんは悪い…とだけ言い残して練習に戻って行った。
私は……どうしても、足が震えて練習には戻れなかった。
ごめんなさい…日向さん。
ごめんなさい…まこちゃん。
何度も謝って泣いた。やっぱり、してはいけない恋だった…。
それでも、私は貴方が好き。
別れたくないよ…。
『っ!ま、こと…っ!』
会いたい。会って、抱きしめてくれるだけで良いから…側にいてほしい。
でも、それは暫く叶いそうにない。
『ねぇ、リコ姉…私さ…マネージャー…やめようかな…。』
「え?日向くんとの事?」
『うん…元々、私はバスケのルールすら知らないままでマネージャーやってるだけで…リコ姉も
分かってるでしょ?私と日向くんのせいでギクシャクしてるの…。皆んなには、ウィンターカップで勝ってほしいから…。』
違う。言い訳だ…本当は、皆んなのお手伝いをして側に居たかった。優勝する姿を見たかった。それを許さないのは私が弱いから。だから、皆んな…
ごめんなさい。
私は…。




「分かった…そんなに辛いならやめてもいいわ。」




『ありがとう。リコ姉』





私は…………






逃げます。

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りんご - とても面白かったです!ありがとうございました! (2017年11月23日 0時) (レス) id: 6adc5ff639 (このIDを非表示/違反報告)
かき氷@シロップ(プロフ) - トカゲさん» 面白い!最高の褒め言葉をありがとうございます!果たして、秘密を言える日が来るのか!?また、花宮くんとお母さんを助けられるのか!?更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします(*^▽^*) (2017年4月1日 14時) (レス) id: b94c961c3a (このIDを非表示/違反報告)
トカゲ - とっても面白くて禁断の恋にキュンキュンしますw 続き楽しみに待ってます! (2017年4月1日 12時) (レス) id: 97190fc0d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小鞠 | 作成日時:2017年3月31日 11時

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