変われない彼女は【はたけカカシ】 (ページ2)

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生暖かい春の風が吹く今日

火影岩の上には小さな影が座っていた

(もう、見えない左側にも慣れてしまった)

少女は黒髪で隠れた左目の瞼に触れながら

ここに来るまでの道を眺めていた

『前は左側が見えないだけで、

歩くのだって怖かったのに。』

独り言は虚しく、
髪を揺らす春の風と一緒に消えていった。

あと10分、いや、20分くらいだろうか

お母様のお客様がお帰りになるのは…

～～～～～～～～～～

「次の任務は把握してるな？

それじゃあ一旦解散だ。」

部隊長の声で一斉に散る。

俺は特に次の任務までやる事もなく
とりあえず木の上で足を休ませることにした。

今日の任務は比較的楽だったし、

次の任務もそんなに大変じゃなさそうだ。

「ヨユー、ってカンジの顔だな？」

「別に」

後輩の生意気な返事にも「いつもの事だ」と言わんばかりのニコニコ笑顔。

その生意気な後輩と言えば、此方をチラリとも見ずに目を閉じて木に寄りかかりながら休んでいるのだが。

カザミネ。彼はカカシより4つほど年上で暗部での先輩だが、初めて会った時に4つ下の少年、カカシの強さに衝撃を受けた。

カカシが暗部に入隊してもう1年くらい経つが、カザミネという先輩からの熱い眼差しが鬱陶しくて仕方がないらしい。

「俺は何も教えられませんよ。あんたには」

「俺まだ何も言ってないじゃないか」