【あんスタ】執事は愛される【男主】【完結】

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「Aさんは、お弁当をそのまま食べているのですか？」

『はい。泉様から了承を得り、というか強制的に。瀬名家のシェフが作った料理はとても美味で自分もとても好んでます』





弁当が勿体ないからか知らないが、受け取って貰えない場合は俺が食べて良いとされている。これを食べない遊木様はなんて損を。


その後も姫宮さんの弁当について話を聞いた。

自分の弁当を拒否し、転校生さんとカツ丼を「あーん」してもらってるなんて、そんなところを見たら俺はブチ切れる。



そして、また話は泉様の話に戻った。





『__＿しかし、泉様は遊木様が弁当を食べないことにあまり何も言わないのですよ。普段は口煩いのに』

「意外ですね。本人に押しかけてまで不機嫌になるのかと勝手に思い込んでました」

『私もです。何故でしょうか』





それは思った。


遊木様が受け取らないと報告する時「ちょっと、何で俺のゆうくんへの愛情弁当食べてくれないのぉ！？ちょーうざぁい！」とか泉様なら言いそうだと思っていた。

しかし現実は「へぇ…。ま、あんたが食べてるんだし別に」とかなり興味のなさそうな返事を返されたのだ。




『魚類も遊木様が嫌いだからお弁当の中には入れてないのですが、偶に入れても良いと泉様が申すんですよ。それでは尚更遊木様が食べません』

「……Aさんは魚類はお好きで？」

『え？はい。高価なので中々食べられませんが好きです』





突然、俺の話になった為動揺が表れてしまった。
見た目の華やかさに必要なのは魚なのか？彼が魚にこだわる意図は分からないが、入れたらそもそも遊木様が食べられない。

つまり、意味がないのだ。





「瀬名さまはかなり拗らせてますね。Aさんもかなり鈍感ですが」

『鈍感？私が？』





俺が鈍感だったら、遊木様の方が余程だ。


泉様が拗らせているのはとても分かる。いつまで遊木様とこの関係を続けるつもりなのか。

はっきりしてほしいものだ。




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