誠の旗の元で。続

五拾弐 ページ3

土「A！」





貴「はい！」





土方さんらしくなく、名前を呼ぶと同時に戸を開ける





土「大和屋にみんなを呼べ。俺は先に行ってくる」




貴「わかりました！」




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みんなを連れて大和屋に行くと、そこに見たものは




赤く燃える大和屋




土「火を消せ！」




芹「勝手な行動をするな！」




このまま火が広がれば町の人が危ない！




貴「町の人を避難させて来ます！」




近「頼んだ！」







女性「なにしてはんの！？壬生狼も不逞浪士と変わらんやないの！」




貴「それは違…」





斉「そんなことしている場合ではないだろう。」




反抗する私を、一くんは止めた




原「姉ちゃん、危ねぇぞ。下がれ」




女性「誰もいれさせんで、そっちの都合のいいように証拠隠滅するつもりなんやろ！？」




原「そういうわけじゃねえんだが…」





斉「訳あって、おれらの意思では動けない。火を消すことはできない。」





女性「せやかて、うちらは迷惑して…」




原「迷惑は承知してる。もうちょっとだけ待ってくれ」




もうちょっと…？





すべての原因は芹沢さん…





もうちょっとで…何かが起こる




原「野次馬は帰れよー。俺らはもう消えるのを待つしかねえんだ。わりいな」




局長である、芹沢さんの命令は、絶対



悔しいけれど、このまま火が消えるのを待つしかなかった




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斉「どんな理由があろうと、京の街に火を放つなど…」




今日はお酒の入った一くんの愚痴を聞いている




こんなにしゃべる一くんは見たことなくて、ちょっと新鮮だ





いつものように、夜の縁側に座り、月を眺めながらのお話し




貴「確かに、最近の芹沢さんの行動は、目に余る」




斉「昔から横暴ではあったが…」




貴「あの横暴さと自由さがなければ…」





なければ…





私はここにいない





斉「お前はここにいなかっただろうな」




同じことを、思っていた




貴「あのまま普通の舞妓として、過ごすのはやっぱり…つまらないと思う」




斉「では、芹沢さんの行動は、誰かの役に立つこともあるのだな」




貴「だね。」




一くんはそのまま無言で、お酒を飲み続けた




いつもの一くんだ




貴「落ち着いたみたいだし、冷えてきたし、今日はやすもう」





斉「そうだな。おやすみ」





貴「また明日ね！」

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