誠の旗の元で。続

五拾参 ページ4

次の日、芹沢さんを抜いた幹部が呼び出され、会議が行われた




土「お前は、芹沢さんに呼ばれている。会議のことは知らねぇから、そっちに行って欲しいんだ」




貴「…呼ばれてなかったら、私を会議に参加させるつもりだったのですか？」




土「あぁ」




貴「龍くんも？」




土「いいや。あいつは決意が固まってねぇし、ここに残る気はねえだろ」




私が誰から拾われてきたかも知っていて、




私はそこまで信用されていることを嬉しく思いながらも…




土「まだ、隊服は受け取っちゃあくれねえが…」




貴「信用してくれているのは嬉しいのですが…まだ私も……」




土「ま、しっかり悩め。」




説得する口調から、なだめるような口調になる




その上、あまりに撫でてくるものだから困惑した





兄がいたら、こんな感じなんだろうなぁ




貴「あんまり撫でないで下さい。髪で前が見えなくなっちゃいます！」




土「悪ぃ悪ぃ、じゃ、みんなを待たせてるからな…」




貴「はい！」




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貴「芹沢さん、開けますよ？」




芹「構わん。入れ」




戸を開けるなり、芹沢さんは私に鉄扇を向けてきた




芹「肩をもめ」




貴「はい…」




芹沢さんの肩もみをするのは久しぶりで…




貴「明日筋肉痛確定だ…」




芹「文句を言うな」




貴「はい…」




芹沢さんはしばらく無言だった。





口を開いたと思えば…




芹「続きは龍ノ介にやらせる。帰っていいぞ」




貴「え。」





言いたいことがたくさんありすぎて…




貴「こんな短い肩もみのために私を呼んだんですか？てっきり午前は潰されるのかと…」




芹「そこの着物を持っていけ。龍ノ介を呼んで来い」




貴「龍ノ介って呼んだのなんか聞いたことないし、私の質問は答えてくれないし…」




指をさされた着物を見ると私の持っていた着物一式




私服として使っていたもの、舞妓の時使っていたもの…




―男として生きるのだろう。これを持っていると迷いがでる。俺が処分しておく




貴「あんなこと言ってたのに、処分してなかったんですね。」




芹「お前はもう、俺の犬ではない。自分の道は自分で決めるんだな」




貴「はい…」




芹「わかったら、龍ノ介を呼んで来い」




貴「はい。」







何かが、起こる





"もうちょっとだけ待ってくれ"




"自分の道は自分で決めるんだな"




芹沢さんが……？

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