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思っていた事をそのまま祥吾に伝えたら、じぃっと見つめられた
貴「……何かしら…」
灰「…いや、正直幻滅されると思ってたから、褒められて驚いてる」
貴「どうして幻滅されると思ったのかはわからないのだけれど」
灰「なんか………情熱ないのに何でやってるんだとか、そういうの」
貴「……別に…情熱がないならやってはいけないという決まりはないでしょう?私だってそうよ」
灰「お前も?」
貴「夏休みの間、フランス語のお勉強をしていたの。それでも私は、お父様のご命令だからとやっていただけで情熱はなかったわ。どちらかと言えばやりたくなかったし…」
灰「……ふーん、やりたくねぇとかお前も思うんだ」
貴「あら、私にだってあるわよ。でもこうして言うのは貴方にだけね」
灰「何で?」
貴「修造に言ったら困った顔をするもの」
灰「あー、なるほど」
貴「そうよ。だから別に、やりたいからやってるでも良いと思うし、部活に入ったから仕方なくでも良いと思うわ」
灰「ふーん、なんか意外なこと言うのな」
貴「そうかしら」
灰「俺的にはそうだな。つーか何でフランス語なんて勉強させられたわけ?行くの?」
貴「いいえ、今のところ行く予定はないわ。教養としてということじゃないかしら」
灰「へー…じゃあ何か話してみてくれよ」
貴「何か…」
何かと言われても困るわね…
一通り話せるから良いけれど、何が良いかしら
…あ、そうだわ
貴「……Mon chérie」
灰「…なに?」
貴「『Mon chérie』、よ」
灰「意味は?」
貴「………『私の愛しい人』という意味なの。私は貴方が好きだから、間違っていないでしょう?」
灰「……お前…よく恥ずかしげもなく言えるな…」
貴「…あら、少し顔が赤いわよ?」
灰「うるせぇ、気のせいだろ」
貴「ふふ、私は恥ずかしくないけれど、貴方が恥ずかしかったのね」
灰「違うっつの」
貴「……かわいいわね、貴方」
灰「は?俺が?ないわ…それならお前の方がよっぽど可愛いだろ」
貴「……………仕返しのつもり…?」
灰「…あ、今度は赤くなった。そんなつもりじゃなかったけど、それでも良いな。仕返しだ」
貴「好きな人に『可愛い』と言われて嬉しくない女性はいないわ」
灰「だろうな」
貴「……嬉しい…」
灰「ふはっ、可愛い」
貴「もう、からかうのはやめてちょうだい」
虹「おーい、A。帰るぞ」
貴「あ、い、今行くわ!またね祥吾!」
灰「おー、またな」
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碧夜叉 - 灰羽さん» ありがとうございます!そう言って頂けると励みになります…!お気遣いまでありがとうございます!頑張ります! (2018年7月31日 9時) (レス) id: fa67c2696c (このIDを非表示/違反報告)
灰羽 - 続編おめでとうございます!一話一話の展開が楽しみです。お身体に気を付けて、更新頑張って下さい。 (2018年7月31日 7時) (レス) id: d302357e2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年7月30日 23時