133 ページ33
そう言いながら運ばれたスープを口に運べば、ふわりと美味しさが広がる
ふとナッシュを見ると、同情したような目で私を見ていた
貴「…なぁに？同情してるの？」
ナ「ああ。俺も似たようなもんだからな。今日も父親に命令されて仕方なく来た」
貴「……あら、そう。でも気持ちは分かるわ、来たくなかったのよね」
ナ「そりゃあな。お前もだろ」
貴「ええ、出来ればお家にいたかったわ」
ナ「………お前も俺も、可哀想だよな」
貴「…ふふ、そうね。でもここのお料理、とっても美味しいわ」
ナ「気に入ってもらえて何よりだ」
貴「……ねえ、どうせなら色んなお話をしましょう？貴方とならお話してみたいわ」
ナ「…物好きな女だな。俺の性格、悪いって知ってるだろ？」
貴「ええ、知っているわよ」
ナ「俺の周りに寄ってくる女は大体、顔と金目当てだったから」
貴「…あのねぇ、その辺の庶民と一緒にしないでちょうだい。私は貴方の顔やお金に興味はないわ」
ナ「…へえ、良いもんだ。それじゃあ俺から質問しても良いか？」
貴「どうぞ」
ナ「お前はシュウの好意に気づいているのか？」
貴「……ええ、気づいているわ。というか、本人から伝えられたもの」
ナ「本人から？へえ、じゃあお前らデキてるのか」
貴「いいえ」
ナ「……よく自分をフった女に仕えられるな、アイツ」
貴「だって私、他に好きな男性がいるんだもの」
ナ「…お前、大分残酷だぞ」
貴「修造からも、気持ちを知っているだけで良いと言われたわ」
ナ「じゃあお前はその好きな奴と付き合ってんのかよ」
貴「……いいえ、私も気持ちを伝えて終わりよ」
ナ「…似た者同士ってことか」
貴「そうかもしれないわね」
ナ「……何で付き合わないんだ？」
貴「…彼は別に、私の事は好きじゃないもの。それに彼は女遊びが激しいし…」
ナ「あ〜……そういうタイプか」
貴「でも彼は、私を助けてくれたし、優しくしてくれるわ。だから好きなの」
ナ「…ふうん」
貴「それに、ほら…私は名家の令嬢として相応の身分の方と婚約するでしょう？どう足掻いても叶わないのよ」
ナ「諦めるのか」
貴「ええ。でもずっと…死ぬまで想い続けるわ、初恋の人だもの」
ナ「はっ、重いな」
貴「あら、彼にも同じことを言われたわ」
ナ「言われたのかよ」
貴「ふふっ、面白いわね。ということはほとんどの人が私を重いと言うんだわ」
ナ「いや、そうだろ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
碧夜叉 - 灰羽さん» ありがとうございます！そう言って頂けると励みになります…！お気遣いまでありがとうございます！頑張ります！ (2018年7月31日 9時) (
レス) id: fa67c2696c (このIDを非表示/違反報告)
灰羽 - 続編おめでとうございます！一話一話の展開が楽しみです。お身体に気を付けて、更新頑張って下さい。 (2018年7月31日 7時) (レス) id: d302357e2b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：碧夜叉 | 作成日時：2018年7月30日 23時
