同 担 拒 否 ワ カ メ 。【瀬名泉】

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やっとの思いでもらったお昼休憩。



なんかものすごく解放された感がすごいのは瀬名泉の圧が強すぎたせいだろう。



ようやく一息つけるなんて思いながら食堂を訪れる。…へぇこんなにたくさんの種類の食べ物が置いてあるなんてさすがはアイドル事務所なだけある。



和食から洋食、なんなら中華やイタリアンまで様々。やっぱあの細さとカッコ良さを保つには良い食事からってことか。



妙に納得しながら食券を購入してお兄さんにそれを渡す。フードコートの店とは段違いの早さとクオリティで出てくる頼んだ物。なんだこれ思った以上に量が多いぞ…。



『良い意味で予想を裏切られた気がする』



写真の物より一回りほど大きいハンバーグ。よく考えてみればそんなことはよく起こり得ることだった。だって瀬名泉や他のアイドルが多く所属するこの事務所の平均年齢は低く、裏を返せば育ち盛りの男性が多くこの食堂を利用するのだ。



そりゃ必然的に多く盛られるよね。アイドルは食事もしっかり取んないとだし。



『けどさすがにこの量は食べられないんだよなぁ…』



手をつけようにも完食できないと断言できるものになかなか手が伸びない。え、どうしよ。瀬名泉連れてくればよかったかも。…いやあの人はハンバーグとか見た瞬間、カロリー計算とかしそうだし逆に連れてこなくて正解だな。



｢おや、君は新入りかい？｣



『え…まぁはい』



｢ふふ、いきなり声をかけてしまったせいで驚かせてしまったね。君があまりにも出てきた料理を凝視するものだからつい面白くて眺めてしまったよ。

…あぁ、名乗っていなかったね。僕の名前は天祥院英智だ｣




…柔らかい笑顔を浮かべてるけど今とんでもない単語を耳にした気がする。



天祥院？



有名な財閥じゃないか。



いくらアイドルに疎い私でも天祥院の名前くらい知ってるわ。

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