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"どうか貴方の未来が幸せで、心安らかに天寿を全うしますように"死への眠りへと誘われた時
心の中で風影様の未来を祈った
最期に愛する人の顔を見て、私は天寿を全うしたのだから、私は幸せ者だったと、そう思う
飛影「A、本当に良かったのか？」
「はい。悔いはありません」
手の甲を見ると、無事に封印式が刻まれていたため、どうやら飛影様を封印できたらしい
私の身体は生命機能を停止したが、完全に止まるまで時間があったため
私の精神世界の中で飛影様と共にいた
私の精神世界が真っ白から真っ黒へと変わると
私は完全に死んだ事になる
ちなみに飛影様は私が封印した事で言葉を交わせるようになった
飛影「……力の制御が出来んばかりに、東雲氏族の命を何人も奪ってしまった尾獣なのだぞ？恨まないのか？」
「東雲氏族に生まれた者として、飛影様と共にいるのは当然の事。それに、私は大切な人の未来を守れるのなら構いません」
飛影「お前は最初の封印者によく似ている」
大きな鳥の姿をした飛影様は少し笑った
「ところで、先代様は無事に転生されたのでしょうか？」
飛影「こんな時に人の心配か。お前は変わっているな」
"カマナは無事に転生したから安心するといい"また少しだけ笑った
飛影「本来ならば、力を制御さえできれば命を奪う真似なぞもしなくて済む。それに、他の尾獣のように、外に出られるのだ」
飛影「しかし、いくら制御しようにも我は他の尾獣とは違って、生まれてからずっと封印されて1人でな。コントロールの仕方が分からんのだ」
"我は尾獣の恥だな"今度は悲しそうに、笑った
「カマナ様が仰った通り、飛影様はお優しい」
飛影「人間の解釈には理解に苦しむ」
「これからはずっと一緒にいるのです。少しずつ理解してみては？」
飛影様と精神世界が真っ黒になるのを待っていると
守鶴「おいコラちょっと待てぇぇぇぇぇい！！！」
私と飛影様しかいないはずの精神世界に、もう1人、誰かがいた
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作者名：紫希 | 作成日時：2021年6月8日 1時
