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No said
ナルト「終わった、のか？」
サスケ「どうやらそうみたいだな」
空を覆っていた影が消え、金環日食も終わりを告げた
ナルト「我愛羅！？」
サスケ「ナルト、行かせてやれ」
"最期の別れだ"空中でAを包んでいた影が消え、Aはゆっくりと降下していた
我愛羅「………A」
我愛羅は自身の砂でAの元まで行き、Aを砂の上に乗せ、腕の中に抱き寄せた
「風、影様……？」
Aが死への眠りに落ちるまで、少しだけ時間が我愛羅の味方をしたようだった
「泣いておられるの、ですか？」
ぽたりぽたりとAの顔に我愛羅の涙が落ちた
我愛羅は必死に涙を拭った
我愛羅「A、俺はまだお前に何も………」
必死に言葉を紡ごうにも、我愛羅は伝えたい事が整理できないほど、心に余裕がなかった
「私のために、泣いてくださるなんて、お優しいのですね」
我愛羅「優しくなどあるものか」
"大切な人の命をも救えぬのだぞ"我愛羅はもう涙を拭わなかった
Aの鼓動が少しずつ小さくなっていくのが分かって
涙を拭うより、Aの姿をこの目に焼き付けておきたいと、そう思ったから。
「風影様、覚えておられますか。こうして共に風影様の砂の上で里を見渡した、あの日を」
「風影様にとっては、些細な日常だったかもしれませんが、私にとってはかけがえない大切な思い出でございます」
"幸せでした"ニコリと笑うAに我愛羅はAの手をギュッと握った
我愛羅「忘れるものか。カンクロウに正座で説教された日だろう？」
"ちゃんと覚えている"その言葉にAは涙を流した
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作者名：紫希 | 作成日時：2021年6月8日 1時
