〜望んだ未来〜 ページ35
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蝉時雨が降る夏。
熱したアスファルトの暑さを気にせず、19歳の少年少女が仲良く大学へ向かっていた。
和希「おーい、早くしねぇと置いてくぞー!!」
先頭に立つのは大葉和希。
過去、浅木伊那と呼ばれた女性の子孫。
和希は伊那の遺伝子をついだ性格と髪の色が際立って目立つ青年だった。
歳之「まだアイツが用意終わってねぇんだよ。
ったく、いつも起こしにくるくせに今日は寝坊かよ。」
呆れ顔の青年は土方歳之。
新選組の副長、土方歳三の子孫。
声音から見た目まで土方に似ている彼は、誰がどう見ても土方歳三の子孫だった。
A「まってよ!!
遅刻するなら、三人一緒ね!!」
そして最後は斎藤A。
華成Aと斎藤一の子孫。
歳之と同じく、見た目から華成とソックリだった。
A「待ってってば!!」
先に行ってしまた二人の青年相手にAも走りだす。
曲がり角を曲がって二人の姿が消えてしまい、ため息をついた直後、前方からきた着物の女性とすれ違った。
それに違和感を感じたAは、足を止めて振り返る。
すると、着物の女性も振り返って足を止めていた。
A「あ、あの・・・」
つい、Aは女性に声をかける。
着物を着て、ゆったりと髪を結っていても、彼女は驚くほどAに似ていた。
歳の頃は25.26歳と言ったところだろうか。
Aを大人らしくしたような女性。
A「貴女は・・」
??「ねぇ、今は楽しい?」
唐突な質問にAは首を傾げる。
??「生きていて良かったと思える?」
二度目の質問にAは大きく頷いた。
そして、先に行った歳之と和希を思い出し、女性に会釈して走り出す。
ゆったりとした仕草でAを見送った女性は嬉しそうに微笑んだ。
??「元気そうで良かったな。」
突如聞こえた声に女性は頷く。
声は男性の者で、その声音も男性の容姿も驚愕するほど歳之にソックリだ。
??「私の子孫が歳之で、華成さんの子孫も私って不思議だね。
未来に支障が出てないか不安だったけど、よかった。」
蝉時雨に混ざり、少年少女の声が聞こえてくる。
楽しそうな三人の声に女性と男性は笑みを交わして歩きだした。
??「いいんじゃない。
こう言う未来もさ。」
手を繋いだ二人は陽炎に揺れ、リン、と言う水が滴る軽い音と共に姿を消した。
まるで、時空に飲まれたように、颯爽と・・・
『完』
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黒豆粉 - うおおお!終わり方カッコいいし、何よりお話が最高!!めっちゃ神作だ!ありがとうございました。 (2021年3月19日 23時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - 亀吉さん» 亀吉さん>そんな、最高だなんて嬉しすぎてニヤけちゃいます! 文の構成など、ド素人で上手くかけているか不安でしたが、そう言ってもらえると安心します! 長い小説になりましたが、最後の最後まで本当にありがとうございました!! (2014年3月29日 19時) (レス) id: 37539a4d10 (このIDを非表示/違反報告)
亀吉 - いいお話でした!!最高です!!文の構成とか惚れ惚れしちゃいました。これからも色んな作品を書いて下さい!! (2014年3月29日 19時) (レス) id: e342c6528a (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - セレ―ナさん» セレーナさん>ありがとうございます!! 作者自身も二人のやりとりは書いていて楽しかったです^ ^楽しんでもらえて光栄です! 未熟なものでご迷惑をおかけした事もありましたが、最後の最後まで本当にありがとうございました! (2013年6月27日 19時) (レス) id: 37539a4d10 (このIDを非表示/違反報告)
セレ―ナ(プロフ) - 一章からよませていただきました!主人公とトシのしりとりのやり合いがすっごく面白かったです!!お疲れさまでした!! (2013年6月24日 0時) (レス) id: c5f487b712 (このIDを非表示/違反報告)
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