私と一(華成目線) ページ26
寒い極寒の地とは言え、4月も後半となれば桜は散り始める。
葉桜が混ざった桜道を一と私、華成Aは散歩しながら思い出話に花を咲かせていた。
華成「で、確かその時に総司が土方さんの俳句集を盗んでさ。
あの時は楽しかったよね。
皆、元気にしてるかな・・?」
斎藤「そうだな。
みな、行く末は違ったが元気にしているといい。」
鳥羽伏見の戦いから始まった戊辰戦争。
本当にごく最近に終焉を向かえ、ギコチナクも日本は新しい時代を迎えていた。
その中、私達はヒッソリと二人で暮らす道を選んだ。
華成「土方さんは蝦夷まで行ったんだよね。
風間のバカはやっと諦めてくれたし、伊那も行方不明になって6年だし。
それに現代へ戻ったAも元気にやってるかな。」
バラバラになってしまった皆に寂しさが深まる。
近藤さんは刑死、総司は病気の悪化、平助は油小路で、左之と新八は隊を抜けて己の道へ。
大切な皆はたくさん先に逝ってしまった。
一「・・・。」
華成「・・一?」
不意に一が足を止めて呆然と立ち尽くした。
桜を見つめて歩いていた私は何歩か前を出てしまい、止まると同時に一を直視した。
一の視線は前方に向けられていている。
華成「?」
何があるのかと、私は一の視線の先を辿った。
そして、目を見開いて絶句する。
華成「!?」
小柄な女性がこちらに向かって歩いてきている。
黒の髪に黄色が混ざった不思議な髪と青と水色の着物の女。
その後ろに控えているのは長髪を結っている男。
華成「伊那・・・、不知火・・?」
6年前、行方不明になった伊那と不知火だ。
女性らしくなった伊那の雰囲気は完全に大人っぽさが際立っている。
驚く私と一に、伊那特有の気まぐれで悪戯な笑みを向けると、
伊那「会いくるんて。
土方と斎藤ちゃんが・・」
と、6年経っても変わらない口調で穏やかに告げた。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーアルファベット
X
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
70人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒豆粉 - うおおお!終わり方カッコいいし、何よりお話が最高!!めっちゃ神作だ!ありがとうございました。 (2021年3月19日 23時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - 亀吉さん» 亀吉さん>そんな、最高だなんて嬉しすぎてニヤけちゃいます! 文の構成など、ド素人で上手くかけているか不安でしたが、そう言ってもらえると安心します! 長い小説になりましたが、最後の最後まで本当にありがとうございました!! (2014年3月29日 19時) (レス) id: 37539a4d10 (このIDを非表示/違反報告)
亀吉 - いいお話でした!!最高です!!文の構成とか惚れ惚れしちゃいました。これからも色んな作品を書いて下さい!! (2014年3月29日 19時) (レス) id: e342c6528a (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - セレ―ナさん» セレーナさん>ありがとうございます!! 作者自身も二人のやりとりは書いていて楽しかったです^ ^楽しんでもらえて光栄です! 未熟なものでご迷惑をおかけした事もありましたが、最後の最後まで本当にありがとうございました! (2013年6月27日 19時) (レス) id: 37539a4d10 (このIDを非表示/違反報告)
セレ―ナ(プロフ) - 一章からよませていただきました!主人公とトシのしりとりのやり合いがすっごく面白かったです!!お疲れさまでした!! (2013年6月24日 0時) (レス) id: c5f487b712 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ