第44話 ページ6
貴「へえ…」
その頃。
私と大神の間で話題に上がっていた華ちゃんはというと。
「華!どうしたの!?」
華ちゃんの母親がオロオロとしている。華ちゃんに近づこうとすると、華ちゃんが手元にあるもの全てを投げてくるので、近寄れない。そのせいで、床は物が散らばっている。
華「うるさい!近づくな!!」
「華っ!?」
柔らかいものが母親の顔にあたる。クッションだ。
インターホンが鳴る。華ちゃんはもう一度、うるさい!と叫び、テーブルの上に置いてあったリモコンを投げる。
窓にあたって、リモコンは、落ちた。
母親が急いで玄関に行き、乱れた髪を少し整え、開ける。
若「こんばんは」
「あ、若ちゃん」
若「…華乃音ちゃんはいますか?」
家に上がり、ワカは座り込む華ちゃんを見ている。
近寄り、華ちゃんの肩を掴んだ。
華「触ん」
振り払えなかった。
自分よりも強い力が、鋭い瞳が、震えるほどの威圧が、華ちゃんを包んだ。
若「落ち着いてください」
華「っ」
若「何があったんですか?」
華「………」
若「華乃音ちゃん?」
華「…A、先輩が」
若「A先輩?」
華「最近、おかしい」
ワカは、私が変だということは元から知っていたから、今更そんな事を言われても…と、内心思った。
華「いつも放送部にいて、光に導いて、感動を生み出して、まさに天才で、神様なんだ」
ワカの感情が大きく動く。
危険のサイレンが脳内に響いていた。
華「でも、今の、A先輩は、私の知ってるA先輩、じゃない」
若「華乃音ちゃん…」
華「いや。嫌だ、嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ」
若「落ち着いてっ!」
肩を掴もうとした手を振り払われた。
華「まだ、羽風薫の存在が、残ってるのかな…?」
若「かのっ」
華「羽風薫………A先輩は、『俺』のものだ」
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顥(プロフ) - 千代さん» ありがとうございます。まだまだ未熟者なので、流石に人気は出ないですね…。もっと精進しなければ。これからも素晴らしい作品だと言ってもらえるように、努力しながら、更新頑張っていきます! (2018年3月12日 22時) (レス) id: 09070ac26a (このIDを非表示/違反報告)
千代(プロフ) - そう言いたいほど大変素晴らしい作品です。私自身、放送部の部長をしていて楽しめましたし、なにより内容が素晴らしい。羽風好きになりそうですなんかもう…有難うございます(←)これからも読ませて頂きます。更新頑張ってください! (2018年3月12日 0時) (レス) id: b14c7e5392 (このIDを非表示/違反報告)
千代(プロフ) - 初めまして。昨日この作品を見つけて読ませて頂きました。文が拙いし、長くなりますが感想を言いたいです。”なぜ人気でないんだ”。 (2018年3月12日 0時) (レス) id: b14c7e5392 (このIDを非表示/違反報告)
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