第106話 ページ29
Lieはヴァイスに大敗。決勝は、LEONとヴァイスだ。
一ターン目はヴァイス。先程とは違い、リズムの良い明るい前奏。そして、英語。
流暢で何を言っているのかは分からないが、彼女の表現力は素晴らしく何を伝えたいかは何となく分かる。
しかも間奏のホイッスルボイスは圧倒された。こんなことも出来るようになったのかよあいつ。
可愛らしくスカートを軽く持ち上げ、爪先を立ててご挨拶。きゅるんと可愛い子犬みたく、少女は舞台裏に姿を消した。
LEONのターン。
和装に着替え、守の腹筋に女の子がメロメロだ。袖が片方なく、青井と赤井は色違いの牡丹が咲く着物。
蓮は緑のグラデーションに包まれた白い菊。
OXは赤に染まった彼岸花。
赤髪の中を銀の蝶々が飛ぶ簪が映える。ライトにキラキラと光って本当に舞い飛びそうだ。
三味線の音。重ねられるギターとベース。そして力強い太鼓の音。蓮の高い声から、OXの低い声。
時々、含まれる元気な可愛い声がまっちして、夕日の中に花火をあげた。色とりどりの、花弁をヒラヒラ揺らせながら。
鮮やな世界に、観ている色がどんどんと姿を変えて小さく音なく、静かに夕空へと飛んでいった。
瀬名｢すご、いわねぇ…｣
貴｢…｣
瀬名｢A？｣
貴｢あたしも、負けてらんないなぁ…｣
成長しているみんなに、負けてられない。
貴｢あたし達も、頑張んなきゃね！｣
瀬名｢っ、うん｣
貴｢？、なんで顔赤いの？｣
瀬名｢夕日のせいに決まってんでしょおっ！！｣
貴｢えぇっ！？｣
突然怒鳴られ、目を忙しなく瞬かせる。
事情を知っている他メンバーはニヤニヤと笑っていた。瀬名の口癖、チョ〜うざぁい！が連続で炸裂。
夕陽に照ったあんたの笑顔が綺麗だったから…。
瀬名(なんて、口が裂けても言えるわけないでしょお…っ)
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作者名：�� | 作成日時：2017年7月25日 10時
