よん ページ5
お米扱いされて暫く先輩が走り続けていたが、とうとう止まった。
酔った。
普通に、酔った。
込み上がってくる胃の中の物を気合いで押し込めて、フラフラのまま何とか立つ。
えぇ…なに、なんなの神崎先輩……
「突然このような事をして申し訳ないと思ってはいるが許してくれ。これもAを守るためだったのだ…!」
「……えっと………何から、です?」
「…はぁぁぁ……なんて愛くるしい声よ…我癒されたのである疲れなどあの助平に飛んでったわ…」
よく分からない人気のないところまで連れてこられたかと思えば膝から崩れ落ちた先輩。
私が蓮巳先輩から喋るのを禁じられている理由。
…自分で言うのも、少し嫌なんだけれど。
紅月の先輩方曰く、私の声はとても『可愛く癒される』らしい。
例えるならアル*・アルマルちゃん。
ぜひ調べてね、くっそ可愛いから。
この人殺してそうな容姿から発せられる声質ではないと自分でも少し思っていたけれど、
まさかあの紅月の先輩方が妹のように甘やかしてくれるほどだとは思わなかった。
ちなみに、蓮巳先輩が声を出さないように言っている理由は【鳩羽Aの可愛さを知られてはいけない】かららしい。
こんな副会長は嫌だ。
実際のところ、そのせいで私の悪い噂が絶えないのだ。
別にいいけれど、少しだけ複雑。
「…あの?」
「あぁ、そうであったな!ここへ連れてきた理由はあの助平…羽風殿からAを逃がす為なのだ」
「……羽風…さん。…たぶん、見た事ない先輩です。噂では桜木先輩が大好きだとは聞いてますけど……なんで私を?」
「かたじけない…我、あの輩にAの事を軽く話してしまったのである…その責任をとこういった行動にでたのだ」
独断。
多分だけど、後で蓮巳先輩からお説教されると思いますよ神崎先輩。
「それにしても、ここは日が当たり気持ちがいいな」
「…眠く、なりますよね」
「……!我がAの枕になろうぞ!」
陽の当たる床にゴロンと寝転がり、腕を枕にと開いている先輩。
…まさか、自分がこうして誰かに愛される日が来るなんて思わなかった。
でも、
「…先輩の腕、筋肉質で硬いのでヤです」
「……」
切腹しようとしたから必死に止めた。
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P - プri小説にて同じ名前の作品を見つけてしまったのですが、作者様と同一人物でしょうか…?フォロワー限定に設定されてあった為、お話までは見る事ができなかったので、もしかしたら偶然かもしれませんが…長文失礼しました。もう報告があったなら申し訳無いです…! (5月1日 4時) (レス) id: aa1dedb486 (このIDを非表示/違反報告)
如月らしいです(プロフ) - 急にまるまるのこと出てきてびっくりしました!!かわいいですよね! (2022年12月3日 22時) (レス) @page5 id: 122eb5a4f8 (このIDを非表示/違反報告)
r - ユキトさん» わざとだと思います (2022年7月11日 8時) (レス) id: c7b0bd28c6 (このIDを非表示/違反報告)
ひ - 宙くん推しでして、宙くんの優しさに思わず涙が出てしまいました、、ありがとうございます、、! (2022年4月3日 16時) (レス) @page27 id: 051d399375 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - めっちゃ、好みです〜!応援してます…!!アル✴・アルマルちゃん、可愛いですよね…!!! (2022年3月13日 23時) (レス) @page5 id: 6359c85515 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼岸桜+α | 作成日時:2021年11月14日 12時