7片 ページ9
晴天のある日
思い出せないのなら仕方ない。
そう思い始めていた私は
気分を変えるために
伸びていた髪を切った
頭が凄く軽い
「シンドバッド！見て！」
気分も明るくなって
部屋に入ると
筆を片手に彼が顔をあげる
「凄く似合ってるよ」
「ふふっ、ありがとう」
あれ？
一瞬彼の顔色が曇ったように見えたのは
…私の気のせい？
「シンドバッド長い方が好きだった…？」
思わず聞くと
「普通の女ならな。Aは特別だよ
…ショートも似合ってる」
額に口付けを落とすと
照れる私を見て笑いながら髪を指で梳く
「おいで」
シンドバッドが
両手を広げてみせる
その足の上に座ると
腹部に手を回されて
ギュッと強く抱き締められた
「くすぐったいよ」
「湯浴みもしてきたのか？」
「どうしてわかったの？」
「甘い香りがした」
首元にシンドバッドの吐息がかかって
本当にくすぐったい
「…Aと居ると本当に落ち着くよ」
いつもよりワントーン低い彼の声
＿＿＿＿疲れてる？
それとも…
「…何か、あった？」
恐る恐る聞いてみた
「嗚呼、大丈夫さ。
…俺には未来が見えるんだから」
繕ったような声音
＿＿＿＿無理してる。
抱き締められていた腕を解いて
彼の目を真っ直ぐに見つめた
「…弱音、吐いても良いよ
私が全部聞いてあげる、から」
頼りないかもしれないけど…
ね？
「…A」
黄金色の瞳が揺らいでいた
それでもじっと見つめていると
彼は負けたように
自嘲気味に笑った
「＿＿＿＿聞いてくれるか。狡い男の話を」
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紅妃(プロフ) - 完結おめでとうございます。いつも楽しみの一つにさせてもらっていました。これからの活動も応援しています。 (2018年3月14日 9時) (
レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
はな - めっちゃおもしろいです！続き早く読みたい。。！！夜猫さん、この小説のことわすれないで〜〜〜ヾ(･ω･`;)ﾉ (2017年1月10日 19時) (レス) id: 6a8fed615c (このIDを非表示/違反報告)
月影みこと(プロフ) - すごくおもしろいです。続きがとても気になります。応援してます！ (2016年11月21日 23時) (レス) id: 9705d14001 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜猫
| 作者ホームページ：https://twitter.com/tutimikado12113
作成日時：2016年10月11日 21時
