6片 ページ8
「…元気っすか」
「うん」
「俺のこと覚えてないっすよね」
「うん…」
赤髪のガタイのいい男性は
マスルールと言うらしい。
彼は口数が少なくて、
さっきから沈黙が度々繰り返されていた
「シンドバッドはどんな人？」
「シンさんは、俺達よりも多くの事が見えていて…すごい人だと思います」
＿＿＿＿すごい人、って
ジャーファルさんも言ってたなぁ。
「…どうして私なんだろう？」
「え？」
慌てて口を閉じたけど
どうやら心の声が口に出ていたよう
「どうして、私みたいな女がそんな人とお付き合いしてるのかなって」
答えてくれそうな気配に期待を込めて
マスルールさんを見上げると
「…俺も詳しくは知らないんすけど
シンさんとAさんは確か＿＿＿＿」
コンコン
「俺だ、入るぞA」
彼の言葉を遮ったのは
シンドバッド、その人だった
「Aの話し相手をしていたのか、ありがとなマスルール。」
シンドバッドが呑気に
彼の肩を二度と叩く
「お前を探してジャーファルが血管浮かべてたぞ」
「げ…」
マスルールさんはあからさまに
嫌そうな顔をして部屋を出ていった
行く宛もない視線を
シンドバッドに戻す
「ん？」
不思議そうに見返された
「１つ聞いてもいい？」
「なんだ？」
「どうして私なの」
私の問いに彼は
面食らった様な素振りを見せて
ゆっくりとこちらへ歩み寄った
寝台の淵に座ると
起き上がっていた私の頭を撫でて
「好きなんだ。
それだけじゃ足りないか？」
綺麗な顔で笑って
私の身体を抱き締めた
彼の香りと温もりに
自然と身体から緊張が解けていく
「Aと過ごすこの時間が、
俺の幸せで生きる意味なんだ」
＿＿＿＿胸が苦しい。
「ごめん………」
彼を疑っていた事に対する罪悪感と
彼の真っ直ぐな想いに
涙が止まらなかった。
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紅妃(プロフ) - 完結おめでとうございます。いつも楽しみの一つにさせてもらっていました。これからの活動も応援しています。 (2018年3月14日 9時) (
レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
はな - めっちゃおもしろいです！続き早く読みたい。。！！夜猫さん、この小説のことわすれないで〜〜〜ヾ(･ω･`;)ﾉ (2017年1月10日 19時) (レス) id: 6a8fed615c (このIDを非表示/違反報告)
月影みこと(プロフ) - すごくおもしろいです。続きがとても気になります。応援してます！ (2016年11月21日 23時) (レス) id: 9705d14001 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜猫
| 作者ホームページ：https://twitter.com/tutimikado12113
作成日時：2016年10月11日 21時
