32片 ページ34
〜ジャーファルside〜
2度、記憶をなくしている…？
意味がわからず
口を噤んでシンの言葉を待った。
するとシンは深いため息をついた後、
遠い昔を思い出すように語りはじめた。
「幼い俺がAに恋をしてからすぐ、Aは魔導師になるため村を出たんだ。
俺はAとの約束を果たすために彼女の弟の面倒を見ていた。だが、その頃俺の国の王宮魔導師が敵国のスパイだとバレて処刑されていたんだ。
それで猜疑心に惑わされた王は魔女狩りを始めた。
アイツの魔道の才能はそこらじゃ有名だったからな…すぐに目をつけられた。
弟のレイルはその餌として利用され、そして挙句の果てにその手で姉を殺すように強制させられたのさ。」
シンの声音がワントーン低くなる
「そして、俺は。政府に従って姉を殺そうとしたレイルを誤って殺してしまった。
それからだ。
目を覚まして死んだ弟を見たAは激昴した。
感情が不安定になったせいで魔力が暴走し、彼女は誰にも止められない状態になっていた…俺でさえも。
いや、それでも俺は止めるべきだった。
覚束無い足取りで村に戻った彼女を
自身に刃を向ける村人達が迎えた。
王の命令は絶対だ。村の人間は自分の家族を守るにはそうするしかなかったんだろうな。
しかし、Aは勘違いをした
『村人たちが最愛の弟を殺したに違いない』
と。
それから彼女は村全てを焼き付くし、魔力を使い果たした後、気を失った。
俺はすぐさま彼女を介抱したが、
暫く、目を覚まさなかった。
ただ、力が暴走しないように俺の知り合いの優秀な魔導師に力を抑える術式をかけさせ、そのまま眠らせた。
ある日、目を覚ましたAは何もかも忘れていたさ。俺のことも、自分のことも。
俺は彼女の信頼を勝ち取るために、真実に嘘を交えて記憶を失った過程を伝えた。
レイルを殺したのは誰か分からない。
村を焼いたのは政府だと。嘘を吐いた。
彼女は酷く悲しんでいたが俺の言うことを信じた
しかし、Aは弟を殺した犯人探しをし始めたんだ
仇を打つと言って聞かなかった。
だから、俺は真実を告げることにした。
自分が殺したのだと。
暴走して村を焼いたのはAであることも伝えようとしたが…その前に彼女は俺の前から姿を眩ませたんだ。」
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紅妃(プロフ) - 完結おめでとうございます。いつも楽しみの一つにさせてもらっていました。これからの活動も応援しています。 (2018年3月14日 9時) (
レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
はな - めっちゃおもしろいです！続き早く読みたい。。！！夜猫さん、この小説のことわすれないで〜〜〜ヾ(･ω･`;)ﾉ (2017年1月10日 19時) (レス) id: 6a8fed615c (このIDを非表示/違反報告)
月影みこと(プロフ) - すごくおもしろいです。続きがとても気になります。応援してます！ (2016年11月21日 23時) (レス) id: 9705d14001 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜猫
| 作者ホームページ：https://twitter.com/tutimikado12113
作成日時：2016年10月11日 21時
