19片 ページ21
杯を片手に歩き回る男性たちと
舞台で舞う踊り子見目麗しい踊り子たち。
豪華な料理を幸せそうな顔で頬ぼる少年と
笑顔を浮かべてリースを配る少女。
『民衆に不安を植え付けたくはない』
緊急に招集された八人将＋私との会議においての
シンドバッドの発言により
今宵の宴は一抹の不安を含みながらも盛大に開催された。
「決して…俺のそばを離れるなよ」
その言葉に彼の手をギュッと握りしめると
シンドバッドは驚いたように視線を向けてくる
「嫌…だった？」
「そんなわけがないだろう。
Aがそんなことをするなんて意外だなと思っただけさ」
酔っているのか、それとも敵を欺くための演技なのか
少しだけ顔の赤い彼は私の額に口づけを落とした
.
.
.
密かに警備についた兵の数はいつもの倍の倍。
何かあったときの為に
八人将は皆武装していて
今宵の宴は12時きっかりに解散になる
確か、民衆の安全を確保するためだと
彼は言っていた。
「…ふわぁ」
こぼれたあくびをかみ殺すと
それをみていたのか
シンドバッドが
もう部屋に戻るか？と優しく問う
「できれば…」
「そうか」
「ちょっ！シンドバッ…」
「暴れると落とすぞ」
にやりと意地の悪い笑顔を浮かべてた彼に
どうすることもできず
抱き上げられたまま部屋への帰路を真っすぐ進んだ
「…そうだった」
「ん？」
「ちょっと飲み物飲みすぎたみたい」
私の言葉にああと納得したのか
シンドバッドはすんなりと降ろしてくれた
「…。」
「ん？」
「…ついてくる、つもり？」
「大丈夫だ、中には入らない」
「いや、でも…」
恥ずかしいものは、恥ずかしい。
抗議の意を示した私の視界に
水色の髪が映り込む
「や、ヤムライハと行くから！」
それでもなお心配そうな顔をしていたが
「いくらなんでもそれはデリカシー無さすぎです、王よ」
名を呼ばれたヤムライハが
こちら側についてくれたおかげで何とか
『俺は部屋で待っているからな』
と私はトイレに無事入ることができた
用を足し
手を洗いトイレの入り口を出る
「ヤムライハ…？」
おかしい
…姿がない。
嫌な寒気が背筋を這い上がって来る
助けを…呼ばなきゃ
シンドバッド！！
叫んだ声は
「しーっ。」
背後から回された掌に握り潰された。
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紅妃(プロフ) - 完結おめでとうございます。いつも楽しみの一つにさせてもらっていました。これからの活動も応援しています。 (2018年3月14日 9時) (
レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
はな - めっちゃおもしろいです！続き早く読みたい。。！！夜猫さん、この小説のことわすれないで〜〜〜ヾ(･ω･`;)ﾉ (2017年1月10日 19時) (レス) id: 6a8fed615c (このIDを非表示/違反報告)
月影みこと(プロフ) - すごくおもしろいです。続きがとても気になります。応援してます！ (2016年11月21日 23時) (レス) id: 9705d14001 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜猫
| 作者ホームページ：https://twitter.com/tutimikado12113
作成日時：2016年10月11日 21時
