16片 ページ18
またあの扉の部屋に戻ると
女の子は私の目の前にいた
「そろそろ時間だね」
口パクだったけど
そういったのだとわかった
「どういうこと？」
「もう、これだけ分かれば…
お姉ちゃんは…私は大丈夫だよね」
女の子が儚げに微笑む
「どういうこと？ねぇ、待って＿＿＿＿」
.
.
.
目を覚まして上半身を起こすと
不安そうな面持ちのシンドバッドが
じっと私を見つめていた
「シンドバッド…」
「さっきはすまなかった！
本当に…咄嗟に、気がついたら手が…」
大切なものを抱き締めるように
優しく回された腕
「…私、全部思い出したよ」
大きな背中に腕を回すと
シンドバッドが泣きそうな声で
「頼むから、離れないで…くれ」
小さく呟いた。
まるで大きな子供のようで
すごく、愛おしくなった
「謝るのは私のほう。
昔の私が教えてくれた…
私のせいでたくさん
苦しい思いをさせて、ごめんね。
今まで支えてくれてありがとう」
ギュッと回した腕に力を込めると
その倍ぐらいの力で抱きしめ返される
「シンドバッド、苦しいよ」
笑いながら言うと
「俺はもっと苦しかったけどな」
そう言って
目に涙を浮かべた彼は笑った
「…ねえ、ちゃんと顔を見せて」
「…嫌だ」
「顔も見たくないなんて言ってごめんなさい。
だから…今はちゃんと、貴方と向き合いたいの」
私の言葉にシンドバッドは
しっかりと私と視線を合わせる
「愛してる」
「…私も」
目を閉じると
唇に柔らかい感触が伝わった
目を開けると
手のひらで目隠しをされて
そのままベッドの上に押し倒された
「…シンドバッド。」
「…いいか？」
「うん。」
好きだよ
と言いかけた言葉は
シンドバッドの口の中へ飲み込まれた
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紅妃(プロフ) - 完結おめでとうございます。いつも楽しみの一つにさせてもらっていました。これからの活動も応援しています。 (2018年3月14日 9時) (
レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
はな - めっちゃおもしろいです！続き早く読みたい。。！！夜猫さん、この小説のことわすれないで〜〜〜ヾ(･ω･`;)ﾉ (2017年1月10日 19時) (レス) id: 6a8fed615c (このIDを非表示/違反報告)
月影みこと(プロフ) - すごくおもしろいです。続きがとても気になります。応援してます！ (2016年11月21日 23時) (レス) id: 9705d14001 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜猫
| 作者ホームページ：https://twitter.com/tutimikado12113
作成日時：2016年10月11日 21時
