15片 ページ17
またあの扉の部屋
今度は急ぎ足で
違う扉の前にいる女の子の元へ行った
急いで鍵を受け取って
扉を開き足を踏み入れた
.
.
.
「ありがとう」
「なんてことないよ、行ってきます」
ここはさっきとは違う村だ
ベッドに横たわるのは
シンドバッドの母親だろうか。
彼について行くと
朝から昼過ぎまでずっと
働き詰めでご飯を食べることもせず
お金を稼いでいた
そして、私の村へやってくると
弟の願いに嫌がるそぶりも見せず
楽しそうに遊んでいた
＿＿＿＿あんなに働いて疲れていたはずなのに。
「ほら、これで腹いっぱい飯食えよ」
必死に稼いだお金の一部を
私たちに渡して走って自分の村に帰る
途中で薬と食料を買って
それで、今日の働いたぶんのお金は無くなってしまったようだ。
「ほら、母さんこれ飲んで」
シンドバッドの母親は病気だった。
しかも相当悪いらしい
彼は自分はろくに食べず
母親に食べさせた
無理をさせてでも食べさせていた
私が魔道学校に通ってから
彼はちゃんと弟の面倒を見ていてくれた
私がいた時と変わらない金額の
お金を渡しては「がんばれよ」と、時たまには一緒に遊んだりもしていた
ふたりが成長して、
シンドバッドも余り弟の所へは行かなくなっていた
それでも、一週間に1回は顔を出して
その分の生活費を工面してくれていた
しかし、弟は
それを遊びに使い
挙句の果てにはシンドバッドに
お金をせがんでいた
そしてある日シンドバッドが
夜中ひっそりと弟の元を訪れた
「この前政府の犬がうちにきて、俺の姉ちゃんをを殺せって言われたんだよ」
弟は未成年にも関わらず酒を飲んで
酔っていた
もちろんシンドバッドのお金で
「さすがの俺も実の姉を殺すのは気が引けて断ったんだ、でもそうしたらこれから死ぬまで面倒見てやるって言われてよー…」
「それは、この村誰が殺しても面倒見てもらえんのか？」
「んー、多分なぁ。でも、いっぺん脱がしてから殺すのも悪くねぇだろ？お前らうちで待っとけよ、明日俺が連れて帰るから」
シンドバッドの表情が怒りに染まる
彼は黙って弟の尾行を続け
剣を振りかざした
彼の腹部を突き刺した。
そしてそのまま姿を消した
村に火をつけたのは
政府の役人であった
どっちにしろ私を村ごと
潰すつもりだったのだ。
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紅妃(プロフ) - 完結おめでとうございます。いつも楽しみの一つにさせてもらっていました。これからの活動も応援しています。 (2018年3月14日 9時) (
レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
はな - めっちゃおもしろいです！続き早く読みたい。。！！夜猫さん、この小説のことわすれないで〜〜〜ヾ(･ω･`;)ﾉ (2017年1月10日 19時) (レス) id: 6a8fed615c (このIDを非表示/違反報告)
月影みこと(プロフ) - すごくおもしろいです。続きがとても気になります。応援してます！ (2016年11月21日 23時) (レス) id: 9705d14001 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜猫
| 作者ホームページ：https://twitter.com/tutimikado12113
作成日時：2016年10月11日 21時
